分割による囲繞地通行権(213条)の適用範囲

民法213条の適用範囲

次のような場合に袋地が生じた場合

共有物を分割した結果 213条①
土地の一部を譲り渡した結果 213条②
土地の全部を数人に譲渡した結果 昭和37年10月30日最三小判
数筆の一部を譲渡したした結果 平成3年5月29日広島高判
各別の担保権の実行により数筆の所有者が別々となった結果 平成5年12月17日最三小判
土地の一部を賃貸した結果 (対抗力、議論あり) 
土地の全部を数人に賃貸した結果 (対抗力、議論あり)
土地の一部を賃貸し残部を譲渡した結果 (対抗力、議論あり)

213条通行権の承継についての判例

平成2年11月20日最三小判  
平成5年12月17日最三小判  
昭和56年8月27日東京高判 無償性の承継について消極
平成15年1月14日神戸地判 無償性の承継について積極

広島高判:数筆の一部を譲渡した場合・数人に対して譲渡した場合の通行権の生ずる土地の範囲 

平成1(ネ)336 通行地役権存在確認等請求事件
平成3年5月29日 広島高判 
判示事項の要旨

一 同一人の所有に属する数筆の一団の土地の一部を譲渡した場合に生ずる袋地と213条②の適用(積極)
二 数人に対する土地の一部譲渡により譲受人の一人の譲受土地が袋地となった場合における213条②の囲繞地通行権の発生する土地の範囲

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最高裁:土地の一部を譲渡した場合の通行権、一部を賃貸している場合の通行権

昭和43(オ)1275 工作物撤去等請求
昭和44年11月13日 最一小判
裁判要旨

二、公道に面する一筆の土地の所有者が~公道に面しない部分を他に賃貸し ~残余地を自ら使用している場合~、所有者と賃借人との間において通行に関する別段の特約をしていなかつたときでも~賃貸借契約に基づく~義務の一内容として~残余地を~賃貸借契約の目的に応じて通行させる義務があり~その賃借地に~210条①は適用されない。

 所有者が土地の一部を譲渡して公路に通じない土地を生じさせた場合、分筆買受前の残余の士地についてのみ囲繞地通行権を有する

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