Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

道路の処分・道路法

公共用の道路の処分が、財産価値あるものの処分にあたるかどうかを考えております。
所有土地が道路となった場合、所有権に基づく、排他的な「使用」、「収益」、「処分」の権限は、どうなるのでしょうか?
道路法によれば、「私権」の行使ができない以上、排他的「使用」権が奪われることに間違いないと思います。
「収益」についても、「使用」できない道路から「収益」を得られる場合を、あまり想定できません。
「処分」はもちろんできることになりますが、「使用」・「収益」できない権利の「処分」と言うのは、財産価値の移転と言うことから考えると、どう言うふうに考えたら良いのでしょうか?


市道認定を受けている私人の所有地については、その認定を行う経緯として、市から費用弁償を受ける場合は別として、認定後は、財産価値あるものとしては考えにくく、そのため、たいてい「寄付」により処理されているように思えます。
そうすると、4条の「所有権移転」、「抵当権設定」をどう考えるべきでしょうか?
抽象的権利であるこれらの権利変更があっても、実際の道路使用には関係なく、関係ない権利制限までは行わない、と言う意味と思われます。
所有者の側から考えれば、財産的価値はないけれども相続はしておきたいと言うような場合もありましょう。
また、宅地の公共道との接道の問題は、所有者や抵当権者にとっては重要な問題であり、このような場合も、既に市道認定を受けた土地の所有権を得ておくことが、問題を簡便に解決する方法として有効な場合もありましょう。
公共道を封鎖して、これをネタにお金にするとか言うのは論外ですが、これを「公共道に認定したこと」について争いがあるような場合は、侵害された私権を守るための方法として「処分」する方法もあるかもしれませんが、これらは、本来的な意味から、「道路法上の道路」を処分する場合とは言えないと思います。
そう言う意味からすると、所有者の側から考えた場合、何かの目的や特別な意図がある場合は別として、これらの処分は、(民法上は当然「財産処分」ですが、)「財産価値のない財産の処分」と言うふうに考えて良いのではないかと考えます。

道路法

(私権の制限)
第4条 道路を構成する敷地、支壁その他の物件については、私権を行使することができない。但し、所有権を移転し、又は抵当権を設定し、若しくは移転することを妨げない。

市町村道の意義及びその路線の認定)
第8条 第3条(4)の市町村道とは、市町村の区域内に存する道路で、市町村長がその路線を認定したものをいう。