Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:自治会に対する土地譲渡

平成20(行ヒ)348 損害賠償請求事件
平成23年01月14日 最二小判
裁判要旨抜き書き

町が〜普通財産である土地を〜自治会に対し〜集会所〜建設用地として無償で譲渡したことにつき〜地自法〜所定の公益上の必要があるとした町長の判断に裁量権の範囲の逸脱〜濫用による違法があるとはいえない〜事例

裁判所 | 裁判例情報・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

 〜本件無償譲渡は〜その目的には一定の公共性,公益性が認められる。
また,本件施設協力金は〜C社が〜集会所の建設用地を町が購入して〜自治会に提供するための資金として町に寄附したものといえるから〜無償で譲渡することには合理性が認められ〜
さらに〜実質的にはC社から〜自治会に対して寄附されたものとみることができるから〜町の財産が実質的に減少したとはいえず〜。
〜町議会において〜本件無償譲渡を承認する旨の議決がされている〜
公益上の必要があるとしたB(町長)の判断は,その裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものであるということはできない〜

 〜自治会の地域集会所は〜「公共施設」に当たると解されるから,土地開発公社がその用に供するための土地を取得して地方公共団体自治会に譲渡することは,公有地拡大法の規定及び趣旨に反するものではない。〜土地取得の依頼目的についての書類上の不備は,土地取得の目的を殊更に秘匿するなどの意図に出たものとは断じ得ず〜手続的に違法とされるほどの瑕疵であるということはできない。

 原審の違法との判断に対し、実質的な違法ではないとの観点から、判断を覆したものと思われます。

地方自治法
(寄附又は補助)
第二百三十二条の二  普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。

公有地の拡大の推進に関する法律
(目的)
第一条  この法律は、都市の健全な発展と秩序ある整備を促進するため必要な土地の先買いに関する制度の整備、地方公共団体に代わつて土地の先行取得を行なうこと等を目的とする土地開発公社の創設その他の措置を講ずることにより、公有地の拡大の計画的な推進を図り、もつて地域の秩序ある整備と公共の福祉の増進に資することを目的とする。


(業務の範囲)
第十七条  土地開発公社は〜次に掲げる業務の全部又は一部を行う〜。

  • 一  次に掲げる土地の取得、造成その他の管理及び処分を行うこと。
    • ロ 道路、公園、緑地その他の公共施設又は公用施設の用に供する土地

2  土地開発公社は、前項の業務のほか、当該業務の遂行に支障のない範囲内において、次に掲げる業務を行なうことができる。

  • 一  前項第一号の土地の造成〜又は〜公共施設又は公用施設の整備で地方公共団体の委託に基づくもの〜。
  • 二  国、地方公共団体その他公共的団体の委託に基づき、土地の取得のあつせん、調査、測量その他これらに類する業務を行なうこと。