Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:再生債権の届出のない過払請求権

平成22(受)798 不当利得返還請求事件
平成23年03月01日 最三小判
裁判要旨

 届出のない再生債権である過払金返還請求権について,届出があった再生債権と同じ条件で弁済する旨を定める再生計画と上記過払金返還請求権の帰すう

裁判所 | 裁判例情報・・・・原文


 再生計画の認可確定日で検索すると、これのことでしょうか?


 被相続人の過払債権について、相続財産管理人が提訴したものです。


 再生計画では、

  • ア 確定した再生債権(〜開始決定の日以降の利息,損害金を除く。〜)の40%相当額を弁済し,その余につき免除を受ける。ただし,確定した再生債権の額が30万円以下である場合はその全額を,30万円を超える場合は40%相当額と30万円の多い方の額を弁済する。
  • イ 届出のない〜過払金〜請求権については〜請求がされ,再生債権が確定した時(訴訟等の手続がされている場合には,その手続によって債権が確定する。),上記アのとおり権利の変更を受けその時から3か月以内に,上記アに定める額を弁済する。

 となっていたようです。
 この債権は、「再生手続開始決定の日の前日〜までに過払金23万6614円,〜利息7万6538円が発生し,その合計は31万3152円であった」ので、上記により、過払債権者は、「変更後の債権〜の元本である30万円及び〜訴状送達の日の翌日である平成21年5月26日から支払済みまで〜年5分の〜遅延損害金〜を求め」ました。
 しかし、吸収分割により債務を承継した債務会社は、「再生計画において猶予期間が定められているから〜弁済期は到来しておらず〜支払を求めることはできないなど」として争いました。(訴訟等の手続による確定がされていないので「3カ月」も経過しない、と言う意味でしょうか?
原審は

 〜債権の確定を前提とする〜再生計画〜による権利の変更はいまだ生じていないから,

  • 弁済期の未到来をいう上告人の主張は失当であるし,
  • (請求側)において過払金元本を超える部分に対する遅延損害金を請求することもできない

と判断して「30万円及びうち23万6614円に対する平成21年5月26日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で認容」しました。
 しかし最高裁は、

  • (1) 民再法〜は,〜確定したときは〜届出をすることができなかった再生債権〜等は〜権利の変更の一般的基準〜に従い変更されると規定する。
  • (2) 〜本件再生計画は,〜届出のない再生債権についても一律に〜扱う趣旨と解され,上記〜請求権は〜再生計画認可決定が確定することにより〜一般的基準に従い変更され〜訴訟等において過払金返還請求権を有していたこと及びその額が確定されることを条件に,上記のとおり変更されたところに従って,その支払を受けられるものというべきである。

として、

 訴訟等において〜債権を有していたこと及びその額が確定されることを条件に,その元利金31万3152円のうち30万円について,本件再生債権が確定された日の3か月後に支払を求めることができる〜というべきであり,その弁済期は,本件訴訟の口頭弁論終結時にはいまだ到来していないことが明らか

なので、

 本判決確定の日の3か月後の日である平成23年6月1日限り、

  • 本件債権の元本である30万円及びこれに対するその翌日である同月2日から支払済みまで〜年5分の割合による遅延損害金の支払を〜認容すべきところ,
  • 被上告人から上告がない本件において,原判決を上告人に不利益に変更することは許されないから,原判決を主文のとおり変更するにとどめることとする。



 うーん。何とか理解できたような気がしたのですが、やはり原審の「30万円」が良くわかりません。
例によって、時間切れ(能力切れ)と言うことで、流し読みを終えます。