Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:貸金債権の一括譲渡と契約上の地位・過払金の承継

最高裁:貸金債権の一括譲渡と契約上の地位・過払金の承継3 - g-note(Genmai雑記帳)

平成22(受)1238 過払金返還等
平成23年03月22日 最三小判

裁判要旨抜き書き

 〜貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合における,借主と〜譲渡業者との間の契約上の地位の移転の有無

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・判決原文

(抽出加工あり)

〜本件譲渡契約は,〜譲渡対象資産に含まれる契約に基づき生ずる義務のすべて(クロージング日以降に発生し,かつ,クロージング日以降に開始する期間に関するものに限る。)を承継する旨を〜金消〜契約上のAの義務又は債務(支払利息の返還請求権を含む。)を承継しない旨を定め,
〜「買主は,超過利息の支払の返還請求のうち,クロージング日以後初めて書面により買主に対して〜主張されたものについては,自らの単独の絶対的な裁量により,自ら費用および経費を負担して,これを防禦,解決または履行する。買主は,かかる請求に関して売主からの補償または負担を請求しない。」と定める。

原審の判断は、

(1) 〜は〜クロージング日後に初めて書面により上告人に対して履行を請求されたものについては,上告人においてこれを重畳的に引き受ける趣旨〜承継したといえる。
(2) 仮にそうでないとしても,〜Aとの間の金消取引〜契約上の地位の移転をその内容とする〜,被上告人がこれを黙示的に承諾したことにより,上告人がAの上記地位を包括的に承継するという法的効果が生じたといえる。上告人において,その承継する義務の範囲を争うことは許されない。

しかし、最高裁は、

〜上告人は本件債務を承継しない旨を明確に定めるのであって〜第9.6条(b)が,〜上告人において第三者弁済をする場合における求償関係を定めるものであることは明らかであり,これが置かれていることをもって,上告人が本件債務を重畳的に引き受け,これを承継したと解することはできない。

〜貸金債権を一括して他の貸金業者〜に譲渡〜した場合において,譲渡業者の有する資産のうち何が譲渡の対象であるかは,上記合意の内容いかんによるというべきであり,
 それが営業譲渡の性質を有するときであっても〜契約上の地位が〜当然に移転すると解することはできない〜

〜本件譲渡契約は〜本件債務を承継しない旨を明確に定めるのであって〜契約上の地位の移転を内容とするものと解する余地もない。

と判断しました。

H22.7.9以下追記(同旨判決)
平成23年07月07日 最一小 判決
平成23年07月08日 最二小 判決