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債務整理事件における報酬に関する指針

日司連理事会において
債務整理事件における報酬に関する指針」が制定されました。
債務整理事件における報酬に関する指針
平成23年5月26日理事会決定

(目的)
第1条 この指針は、債務整理事件を処理する司法書士司法書士法人を含む。以下同じ。)の一部が不適正かつ不当な額の司法書士報酬を請求し、又は受領しているとの批判があることから、臨時の措置として、主として過払金返還請求事件における司法書士報酬の額を適正化することによって、依頼者の利益の保護を図るとともに、司法書士に対する国民の信頼を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この指針において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

  • 一 依頼者 債務整理事件を司法書士に依頼し、又は依頼しようとする者をいう。
  • 二 債権者 債務者に対して債権を有するとみられる者をいう。
  • 三 債務者 金融業者に対して債務を負担する個人又は法人をいう。
  • 四 過払金返還請求事件 債権者との取引について、利息制限法所定の利率による利息計算(以下、「引き直し計算」という。)をした結果、弁済すべき金額を超えて支払った金額(以下、「過払金」という。)が生じることとなった債務者が、当該債権者に対してその返還請求を行う事件をいう。
  • 五 任意整理事件 債権者が債務者に有するとみられる債権について、弁済の額、方法等について裁判外で債権者と交渉して処理する事件をいい、引き直し計算の結果、債務者が、債権者に対して債務を負担しないこととなる場合及び過払金が生じた場合を含む。
  • 六 定額報酬 受任した事件の結果のいかんにかかわらず、債権者に対する通知及び取引履歴の開示請求、引き直し計算、債務額確定のための交渉、返済に関する交渉、裁判外での和解並びにこれらに付随する事務の対価として一定額を定める報酬をいう。
  • 七 減額報酬 債権者が主張する債務を減額させ、又は免れさせた場合に、その減額され、又は免れた債務の金額を経済的利益として、その経済的利益に応じて算定される報酬をいう。
  • 八 過払金返還報酬 過払金を回収した場合に算定される報酬をいう。

(適正かつ妥当な報酬)
第3条 債務整理事件において司法書士が請求し、又は受領する報酬は、当該事件が解決したことにより依頼者が受ける経済的利益の他、依頼者の資産、収入及び生活の状況等を考慮した適正かつ妥当なものでなければならない。
(報酬の請求等)
第4条 司法書士は、任意整理事件及び過払金返還請求事件において、次条以下の規定に反して報酬を請求し、又は受領してはならない。
2 次条以下に定める報酬の額には、消費税額を含まない。
(定額報酬の上限)
第5条 任意整理事件を受任したときは、定額報酬として債権者一人当たり5万円を超える額を請求し、又は受領してはならない。
(減額報酬の上限)
第6条 減額報酬を請求し、又は受領するときは、減額され、又は免れた債務の金額を経済的利益として、その経済的利益に10パーセントの割合を乗じた金額を超える金額を減額報酬として請求し、又は受領してはならない。
2 引き直し計算により算出された金額を債権者が認めた場合(その金額を債権者が積極的に争わない場合を含む。)は、その算出された金額から減額され、又は免れた債務の金額を経済的利益として前項を適用する。
(過払金返還報酬の上限)
第7条 代理人として過払金を回収したときは、その回収した金額を経済的利益として、その経済的利益に次の割合を乗じた金額を超える額を過払金返還報酬として請求し、又は受領してはならない。
(1)訴訟によらずに回収した場合20パーセント
(2)訴訟により回収した場合25パーセント
(支払い代行手数料の上限)
第8条 債務整理事件において、その債務を債権者に分割して支払うことを代行するときは、代行する支払いごとに実費に相当する額を含めて千円を超える額を請求し、又は受領してはならない
(その他の報酬の規制)
第9条 司法書士は、任意整理事件及び過払金返還請求事件において、第5条から前条に定める報酬以外の報酬を請求し、又は受領してはならない。
(附則)
1 この指針は、5年を超えない範囲内において理事会で定める日に、その効力を失う。

 当事務所の場合、ずっと低額ですので、全く問題ありませんが、支払代行については、意外な規定ですので確認したいと思っております。