Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:更新料の適法性

平成22(オ)863 更新料返還等請求本訴,更新料請求反訴,保証債務履行請求事件
平成23年07月15日 最二小判
裁判要旨

1 消費者契約法10条と憲法29条1項
2 更新料の支払を約する条項の消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」該当性

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・判決原文
〜更新料条項は〜特約により〜負わせるという意味において,任意規定の適用による場合に比し,〜賃借人の義務を加重するものに当たる〜。

〜賃料の補充〜前払,〜契約を継続するための対価等の〜複合的な性質を有することは〜説示したとおり〜,〜およそ経済的合理性がないなどということはできない。

〜期間満了の際〜更新料の支払〜公知である〜裁判上の和解手続等においても〜公序良俗に反するなどとして,〜当然に無効とする取扱いがされてこなかった〜,

〜更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について,看過し得ないほどの格差が存するとみることもできない。

 〜契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は,〜額が賃料の額,〜契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り,消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらない〜。

 経済的合理性があって、従前から知られていて、公序良俗に反するものとされて来なかった→看過しえないほどの格差はない→消費者契約法10条に違反しない〜と言うように読めます。

 結果の部分は,必ずしも不当とは思わないのですが、 最高裁の判決としては、今ひとつ理解しにくい論理であるように思いました。
 町村先生も同様のことを書いておられ、ほかにも批判的な記事がありました。
arret:更新料の特約が有効とされた事例: Matimulog
http://smm.blog54.fc2.com/blog-entry-1626.html

追記
研修:「借地借家法」(山内鉄夫先生)でも引用されていました。
研修:「借地借家法」・引用判例等