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法定地上権・判例2-2:土地共有者の一人が建物を所有2

法定地上権・判例2:共有関係と法定地上権 - g-note(Genmai雑記帳)
昭和41(オ)529 貸金請求
昭和44年11月04日 最三小 判決
裁判要旨

一、従前〜地の所有者の所有する仮換地上の建物が抵当権の実行により競落されたときは、従前〜地について法定地上権が成立し、競落人は、右法定地上権に基づいて仮換地の使用収益が許される〜。

二、〜売買契約が仮換地〜の一部分を特定して締結され〜ときは、特段の事情のないかぎり、仮換地全体の地積に対する当該特定部分の地積〜に応じた従前〜地の共有持分について売買契約が締結され、〜従前地の共有者となるとともに、仮換地上に準共有関係として従前〜地の持分の割合に応じた使用収益権を取得する〜。

三、前項の場合に〜協議により、仮換地上の買受部分を買主の所有とする旨の合意が成立していたときは、買主が買受土地上に建築所有する建物につき設定された抵当権の実行により、右建物の競落人のため従前〜地について法定地上権が成立し、競落人は右法定地上権に基づいて仮換地上の建物敷地を占有しうべき権原を取得〜。

四、仮換地上の建物が競落されたことにより従前〜地に法定地上権が成立したときは、右法定地上権について〜施行者から仮換地上に使用収益すべき部分の指定を受けない問においても、競落人の建物所有による敷地の占有は、抵当権設定者たる仮換地使用収益権者との関係では、不法占有とならない。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・判決原文

〜b番地〜六〇坪を従前〜地とする仮換地の一部であつた本件宅地を買い受け〜買受部分にあたる二一坪六合四勺の範囲を定め、その地上に本件建物を建築した〜

〜右〜契約は、仮換地〜の一部分を特定してなされたものであり、従前〜地〜について買受部分を特定してなされたものではないが、〜特段の事情の認められないかぎり、仮換地全体の地積に対する当該特定部分の地積の比率に応じた従前の土地の共有持分について売買契約が締結され、買主は〜従前地の共有者となり〜仮換地上に〜準共有関係として従前地に対する持分の割合に応じた使用収益権を取得する

〜土地が共有である場合に、共有者の一人の所有〜地上建物が競落されるに至つても、共有土地の上に法定地上権の発生を認めることが原則として許されないことは所論のとおりであるが(〜昭和二六年(オ)第二八五号〜)、
右は他の共有者の意思に基づかないで該共有者の土地に対する持分に基づく使用収益権を害することを得ないことによるものであるから、他の共有者が〜予め容認していたような場合においては、右の原則は妥当しない〜。

〜本件においては〜従前地について〜法定地上権が成立〜右法定地上権に基づいて仮換地としての〜建物敷地を占有しうべき権原を取得したものと解する〜。

 〜従前地に所有権以外の権利で登記のないものを有することになつた者は〜施行者から使用収益部分の指定を受けることによつてはじめて〜使用収益をなしうるにいたる〜、右の場合においても、当事者間においては、〜適法にその特定部分の使用収益をなしうるものと解する〜、〜、仮換地上の建物が競落された場合〜は、右指定がなされるまでの間においても、その建物の敷地〜については〜設定者と競落人との間に右の合意がなされたと看做されるものと解するのが相当〜、〜本件土地の占有は適法に開始されたものといわなければならない。