Genmai雑記帳

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大阪高裁:借金ある者の養育費支払義務・生活保持義務

平成6(ラ)67 子の監護に関する処分(養育料)申立却下審判に対する抗告事件
平成6年04月19日 大阪高
裁判要旨の要旨

 〜無職で収入がなく、多額の負債を抱えていて経済的余力がないことを理由とする〜養育料申立却下審判に対する抗告事件において〜負債を抱えていたとしても、自らの生活が維持されており、債務の弁済がなされている以上、未成熟子である事件本人の扶養義務を免れる余地はない〜事例

id:gen-mai の H060419日大阪高決・平成6(ラ)67借金ある者の養育費.pdf
原審

申立てを却下〜,〜理由は,要するに,相手方は無職で収入がなく,また,多額の負債を抱えていて,経済的余力がない〜

抗告審

〜負債を抱えているとしても,親の未成熟子に対する扶養義務は〜余力の範囲内で行えば足りるようないわゆる生活扶助義務ではなく,いわば一椀の飯も分かち合うという性質のものであり,〜自己と同程度の生活を常にさせるべきいわゆる生活保持義務なのである。

 したがって〜負債を抱えていたとしても〜自らの生活が維持されており,債務の弁済すらなされている以上,未成熟子である〜扶養義務を免れる余地はない〜。負債を抱えていることは,考慮すべき諸般の事情のうちのーつであるにすぎず〜返済のため経済的余裕がないからとして,直ちに〜具体的養育費の支払義務を否定する根拠とはならない〜