平成22(受)722 売買代金請求事件
最三小 平成23年10月18日 判決
裁判要旨
無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合に,当該物の所有者は,これを追認したとしても,同契約に基づく販売代金の引渡請求権を取得しない
最高裁第三小法廷 平成23.10.18 平成22(受)722 売買代金請求事件・・・・原文
・Aが、H所有のブナシメジについて、勝手にJとの間で販売委託契約を締結して出荷。Jは第三者に販売し代金受領。
・Hは、自己とJとの間に債権債務を発生させる趣旨で本件契約を追認。
原審
追認したのであるから民法116条の類推適用〜契約締結の時に遡って,Hが同契約を直接締結したのと同様の効果が生ずる〜認容。
最高裁(抽出加工あり)
無権利者を委託者とする〜販売委託契約が締結された場合に,〜所有者が,自己と〜受託者との間に〜債権債務を発生させる趣旨で〜追認したとしても,〜同契約に基づく販売代金の引渡請求権を取得〜できない。
〜この場合〜,販売委託契約は,「無権利者と受託者」との間に有効に成立〜,〜追認したとしても〜契約当事者の地位が所有者に移転し〜債権債務が〜帰属する〜理由はない〜。
仮に〜債権債務が所有者に帰属する〜と解するならば〜受託者が無権利者に対して有していた抗弁を主張することができなくなるなど,受託者に不測の不利益〜。