Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:「産物・商品の代金」・「居職人の仕事〜債権」の消滅時効

昭和44(オ)437 売掛代金請求
昭和44年10月07日 最三小判
裁判要旨

一、特定の旅館の宣伝用パンフレットのように、性質上〜内容、体裁等を〜個別的注文に合わせて作成〜流通を予定していないものの代金債権は、民法一七三条一号の産物および商品の代金債権にあたらない。
二、近代工業的な機械設備を備えた製造業者は、民法一七三条二号の製造人にあたらない。

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 民法一七三条一号が、生産者、卸売商人および小売商人が売却した産物および商品の代金債権について、特に二年の短期消滅時効を規定〜、この種物品の流通性に鑑み、その売買ないし売買類似の有償契約による代金決済が一般の経済取引の実情に照らして早期迅速に処理されることに基づく〜。

 本件旅館Aの宣伝用パンフ〜のように〜性質上〜内容、体裁等を注文者の個別的注文に合わせて作成〜、したがつて、〜流通を予定していないような場合〜代金債権は同条号の債権に該当しない〜。

 〜同条二号が、居職人および製造人の仕事に関する債権について〜短期消滅時効を規定〜、手工業、家内工業的規模で注文により他人のために仕事をし、〜物を製造加工する者の代金決済が、社会の取引の実情に照らして短期に決済されることを理由とする〜、近代工業的な機械設備を備えた製造業者の如きはこれに含まれない〜。