Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

簡裁代理権問題・市民の目線から

〜国は「静観」を決め込むが、司法制度改革の本来の趣旨に立ち戻り、市民が新たな混乱に巻き込まれる事態を一刻も早く是正すべきだ。〜

日弁連は「債権者が主張する(元本や利息を合わせた)債権額」を基にした「複数業者からの債務総額」と主張。
〜日司連は過払い金の返還など債務整理で減った「債務者の受益額」であり、さらに「借入先ごとの個別額」としている。

和歌山地裁判決は「多重債務者は債務ごとに訴えを提起するのが基本であり、個々に考えるべきだ」と日司連の解釈に近い見解を示し〜「総額説」を退けた。〜

〜08年、神戸地裁〜の判決は日弁連側の「債権額」を支持。
〜その控訴審判決で大阪高裁は明確な判断を避けた。
さいたま地裁などでも争点となったが〜明言していない。〜

〜基準があいまいなまま放置され、現場は対応に苦慮〜。
〜法テラス)は〜各地の法テラスの判断に任せている〜。
〜「全国クレジット・サラ金問題対策協議会」も〜振り分け基準を全国的に統一していない。

〜司法試験合格者の増員で弁護士も増えた。〜司法人口全体が拡大する中で、過払い返還請求というパイを奪い合ったと指摘する声もある。

〜混乱収拾のためには国が基準を明確に示すべきだ。
〜しかし、訴訟代理権の範囲を明文化する動きはない。
法務省は「権限の範囲を各地裁などで争っているが、明確な司法判断は出ていない。最高裁、高裁が範囲の解釈を明言すれば、それに基づいて運用の見直しも考える。今は推移を見守っている」と消極的〜。

市民目線に立った司法制度改革の趣旨を損なう無用なトラブルは、もう解消しなければならない。
司法関係者だけでなく、多重債務問題の専門家、元債務者らを交えた検討会などで基準を明確にすべきだ。毎日新聞・和歌山支局・岡村崇)

http://mainichi.jp/opinion/news/20120530k0000m070138000c.html