Genmai雑記帳

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最高裁:弱い譲渡担保提供者による消滅時効の援用

昭和39(オ)523 土地建物所有権移転登記手続等請求
昭和42年10月27日 最二小判
裁判要旨

一 他人の債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者は、右債務の消滅時効を援用することができる。
二 債務者の時効の利益の放棄は、当該債務のため自己の所有物をいわゆる弱い譲渡担保に供した者に影響を及ぼさない。

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 〜時効は当事者でなければ〜援用しえない〜民法一四五条〜より明らか〜援用しうる者を〜直接利益を受ける者に限定したもの〜、
−〜物上保証人も〜直接利益を受ける者〜当事者にあたる〜、
−(明治四三年一月二五日大審院判決・民録一六輯二二頁)は変更すべき

−〜A1らの先代Eは〜D工業〜の〜債務のためFに〜土地建物をいわゆる弱い譲渡担保に供していた〜、右譲渡担保契約締結後FおよびつづいてEが死亡〜いまだにFへの所有権移転登記手続がなされていない〜。
−〜Eは、他人の債務のため〜所有不動産を担保に供した者〜物上保証人となんら異るものではない〜消滅時効を援用しうるもの〜。
−〜A1らもまた、Eの承継人として〜消滅時効を援用しうる〜

 〜時効の利益の放棄の効果は相対的〜、〜消滅時効完成の利益を債務者が放棄しても、その効果は物上保証人〜譲渡担保に供した者に影響を及ぼすものではない〜

分かりやすい判例ですが、ただ、弱い譲渡担保と言うのが良くわかりません。
2012年06月21日の記事一覧 - 詳細表示 - Yahoo!ブログ
〜強い譲渡担保(所有権内外部移転)と弱い譲渡担保(所有権外部移転)〜
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〜強い譲渡担保と弱い譲渡担保とがあり、前者は完全に所有権が移転しますが、後者は、対外的には〜所有権が移転しても、対内的には債務者に所有権が担保されているとされます。
せんかりぜーしょん、えくすたーなる。 時効の援用。
弱い譲渡担保:譲渡担保権実行のために何らかの実行行為が必要である譲渡担保
強い譲渡担保:実行の要件が具備されれば、当然に実行されたものとなり、受戻権が消滅する譲渡担保

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