Genmai雑記帳

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最高裁:過怠約款付の割賦払債務の消滅時効

昭和40(オ)886 貸金請求
昭和42年06月23日 最二小判
裁判要旨

 〜(過怠約款)付の約定がされた場合〜、一回の不履行があつても、各〜約定弁済期の到来ごとに順次消滅時効が進行〜、債権者が特に残債務全額の弁済を求める旨の意思表示をしたときにかぎり、その時から右全額について消滅時効が進行〜。

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(抽出・加工あり。原文参照)

 〜被上告人〜を債権者〜、上告人〜を〜債務者とする〜割賦金弁済契約において、〜約定に違反したときは債権者の請求により償還期限にかかわらず直ちに残債務の全部または一部を弁済する旨の約定がなされていた、

〜第3回割賦金の支払を怠つたことにより残債務全額について履行期が到来したとして、上告人に対して右全額〜の支払を求めたのに対して、上告人もまた〜残債務全額について履行期が到来したことを認めるとともに、昭和二八年一〇月〜から右全額について消滅時効が進行したと主張〜

〜論旨は、上告人の右主張が債務弁済期に関する自白にあたるというが、〜債務者が〜約定に違反した場合、残債務の弁済期がいつ到来するかは、単なる事実問題ではなくて契約の解釈に関する法律上の問題というべき〜右のように弁済期がいつであるかについて当事者間に見解が合致したとしても、これをもつて裁判上の自白があつたものとすることはできず、裁判所の判断がこれによつてなんら拘束を受けるべきものではない。

〜割賦払の約定に違反したときは〜請求により償還期限にかかわらず直ちに残債務全額を弁済すべき旨の約定が存する場合には、1回の不履行があつても、各割賦金額につき約定弁済期の到来毎に順次消滅時効が進行し債権者が特に残債務全額の弁済を求める旨の意思表示をした場合にかぎり、その時から右全額について消滅時効が進行する〜

現在の多数説ではないとのことです。