Genmai雑記帳

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最高裁:仮差押解放金に対する物上代位

昭和42(オ)342 配当異議
昭和45年07月16日 最一小判
裁判要旨の抜き書き

 〜被担保債権を被保全債権として抵当不動産の仮差押をした場合〜、仮差押解放金を供託して〜取消を得たときには、抵当権の効力は、物上代位〜により〜仮差押解放金の取戻請求権に及ぶ。

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(抽出・加工あり。原文参照)

 〜上告人は〜抵当権の設定を受け、昭和三四年〜仮登記を経由〜。
〜上告人は、これより先、昭和三〇年〜右貸金債権〜仮差押決定をえて〜登記〜、昭和三七年〜仮差押解放金〜供託〜取消決定をえて〜抹消〜。

〜上告人は、右仮差押の本案訴訟〜勝訴の確定判決をえ〜昭和三八年〜供託金返還請求権〜につき、債権差押および転付命令をえた。

〜これに先だち、被上告人が〜強制執行〜昭和三七年〜供託金返還請求権につき債権差押および転付命令をえていた〜仮差押解放金につき配当手続が開始〜平等の順位〜として〜配当表を作成〜。

 右事実関係〜差押命令は競合〜両者の〜転付命令は、いずれもその効力を有しない〜ところ
−供託金返還請求権は〜抵当建物に代わるものであるから、民法三七二条、三〇四条の規定の趣旨に従い、上告人の有する本件抵当権は〜供託金返還請求権にその効力を及ぼす〜。

−右抵当権は〜本登記がなされた場合に〜仮登記の順位において〜優先する効力を認められる〜、その順位に応じた配当額を定め、民訴法六三〇条三項の規定を類推〜供託すべく〜後日、本登記手続をなすにつき必要な条件を備えるに至つたときに、同人にこれを交付すべき〜。
−本件においては〜勝訴の判決をえ〜ている〜本登記〜に必要な条件を備えるに至つた〜順位に応じた配当金の交付を受ける権利を有する〜。

 〜上告人は〜供託金返還請求権に対しても右抵当権と同様の優先権を取得するに至つた〜、このような場合〜、上告人は〜抵当権を実行するか〜供託金返還請求権に対する執行に際し右優先権を主張するか、いずれか一方を選択して行使することができる〜。

−もつとも〜本件建物は〜滅失〜、抵当権を実行することはできない〜実行が可能な場合においても〜供託金返還請求権に対する執行に際し〜優先権を選択行使することができる〜。
−原審は〜優先権を有しないことを前提〜作成〜本件配当表を正当として是認〜違法

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