Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:賃料差押後の賃貸借契約終了

平成22(受)1280 所有権移転〜等,賃料債権取立請求事件
平成24年09月04日 最三小判
裁判要旨

 賃料債権の差押えの効力発生後に賃貸借契約が終了した場合において,その後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることの可否

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文

(抽出・加工あり。原文参照)

(2) Hは,Aに対し,〜(AのJに対する)賃料債権〜差押え。〜
(3) Jは,Aとの間で,平成21年12月〜までに〜不動産を買い受ける〜契約〜移転登記を受け〜代金〜をAに支払った。
(4) Jは,〜売買代金を支払った平成21年12月〜賃料債権は混同により消滅したなどと主張〜。

原審

〜Jが〜所有権の移転を受ける前に〜差押命令が発せられており〜賃料債権は第三者の権利の目的となっている〜520条ただし書の規定により,平成22年1月分以降の賃料債権が混同によって消滅することはなく〜取り立てることができる〜

最高裁
 〜差押えを受けた債務者は〜賃料債権の処分を禁止されるが,その発生の基礎となる賃貸借契約が終了したときは,差押えの対象となる賃料債権は以後発生しないこととなる。

〜賃貸借契約が終了した以上は,その終了が〜差押えの効力発生後であっても,賃貸人と賃借人との人的関係,当該建物を譲渡するに至った経緯及び態様その他の諸般の事情に照らして,賃借人において賃料債権が発生しないことを主張することが信義則上許されないなどの特段の事情がない限り,差押債権者は〜譲渡後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることができない〜。

民法(混同)

第520条 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。