最高裁：賃貸人の地位を移転させない合意
平成7(オ)1705 保証金返還債務確認請求事件
平成11年03月25日 最一小判
裁判要旨抜き書き
〜賃貸人の地位を旧所有者に留保する旨を合意したとしても〜直ちに賃貸人の地位の〜移転を妨げるべき特段の事情があるものということはできない。（反対意見あり。）
(抽出･加工あり｡原文参照)
〜所有権を移転した場合には、特段の事情のない限り、賃貸人の地位もこれに伴って当然に〜移転し、〜敷金に関する権利義務関係も〜承継されると解すべきであり（昭35年（オ）596〜、昭43年（オ）483〜）、〜賃貸人の地位を旧所有者に留保する旨を合意したとしても〜直ちに〜特段の事情〜ということはできない。
〜合意に従った法律関係〜を認めると、賃借人は、建物所有者との間で賃貸借契約を締結したにもかかわらず、〜合意のみによって〜所有権を有しない転貸人との間の転貸借契約における転借人と同様の地位に立たされることとなり、旧所有者が〜権原を失い〜賃貸することができなくなった場合には、その地位を失うに至ることもあり得るなど、不測の損害を被るおそれがある〜
〜もっとも、新所有者のみが敷金返還債務を履行すべきものとすると〜無資力となった場合などには、賃借人が不利益を被ることになりかねないが〜場合に旧所有者に対して敷金返還債務の履行を請求することができるかどうかは〜別に検討されるべき問題〜
2012-04-07が取り上げておられましたので､読んでみました｡
最高裁：物件の譲渡と賃貸人の地位の移転 - g-note（Genmai雑記帳)(昭和35(オ)596)
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