Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:旧賃貸人時代の敷金と未払賃料

昭和43(オ)483 家賃金請求
昭和44年07月17日 最一小判
裁判要旨抜き書き

 建物賃貸借契約において〜所有権移転〜承継があつた場合には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに当然充当され、残額についてその権利義務関係が新賃貸人に承継される。

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(抽出・加工あり。原文参照)

〜敷金は、賃貸借契約終了の際に賃借人の賃料債務不履行があるときは、その弁済として当然これに充当される性質のものであるから、
−建物賃貸借契約において該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があつた場合には、
−旧賃貸人に差し入れられた敷金は、賃借人の旧賃貸人に対する未払賃料債務があればその弁済としてこれに当然充当され
−その限度において敷金返還請求権は消滅し、残額についてのみその権利義務関係が新賃貸人に承継される
〜。

 昨日の最高裁:賃貸人の地位を移転させない合意 - g-note(Genmai雑記帳)の判決に引用されていたので読んでみました。

 敷金返還請求権が新賃貸人に承継されることはいいとして、
「残額のみについて承継」と言うことは、承継時点で、旧賃貸人への未払賃料債務に充当される、と言うふうに読めるのですが、

 上記にもあるとおり、敷金返還請求権は、賃貸借契約終了時に充当を認めるものでしょうし、賃貸人たる地位を承継した以上、原則として、旧賃貸人時代の未払賃料債権も承継し(ここが違うのでしょうか?)、また、敷金返還債務も新賃貸人に承継されるべきではないかと思うのですが、そしてそれならば、特に上記のような構成をとらなくても、敷金からその債務を差し引いて支払うことで解決できるように思うのですが・・・・?

 前提事実を取り違えているのか、上記を読み違えているのか、はたまた、なんと言っても、私の不勉強のせいか、良くわかりません。

建物譲渡と敷金の承継+(質権設定) - g-note(Genmai雑記帳)
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