Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:相続人の一人からの預金記録の開示請求

(2009-01-23分の改記)
平成19(受)1919 預金取引記録開示請求事件
平成21年01月22日 最一小判
裁判要旨抜き書き

1 金融機関は,預金契約に基づき〜取引経過を開示すべき義務を負う。
2〜相続人の一人は,共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき,被相続人名義の〜取引経過の開示を求める権利を単独で行使〜できる。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文

(抽出・加工あり。原文参照)

3 預金契約は〜消費寄託の性質〜。しかし,〜事務には,預金の返還だけでなく,振込〜料金の自動支払,利息〜定期預金の自動継続〜等,委任事務ないし準委任事務〜の性質〜多く含まれている。

〜委任〜受任者は〜報告〜義務〜,〜処理状況を正確に把握するとともに〜事務処理の適切さについて判断するため〜必要不可欠〜。
〜取引経過は〜金融機関の事務処理を反映したものであるから〜必要不可欠〜。

〜金融機関は,預金契約に基づき〜取引経過を開示すべき義務を負う〜預金者が死亡した場合〜共同相続人の一人は,預金債権の一部を相続により取得するにとどまるが,
−これとは別に,共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき〜開示を求める権利を単独で行使することができる〜他の〜相続人全員の同意がないことは〜妨げる理由となるものではない。

〜プライバシーを侵害〜金融機関の守秘義務に違反すると主張〜,開示の相手方が共同相続人にとどまる限り〜問題が生ずる余地はない〜権利の濫用〜許されない場合があると考えられるが〜事情はうかがわれない。

民法

(受任者による報告)
第六百四十五条  受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

(共有物の管理)
第二百五十二条  共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

g-note(Genmai雑記帳)