Genmai雑記帳

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最高裁:遺言執行者による真正な登記名義回復

平成10(オ)1499 土地所有権移転登記手続請〜
平成11年12月16日 最一小判
裁判要旨

 特定の不動産を〜相続させる趣旨の遺言がされた場合に〜他の相続人が〜所有権移転登記を経由しているときは、遺言執行者は〜抹消登記手続のほか〜真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めることができる。

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(抽出・加工あり。原文参照。)
原審

〜遺言は、特定の不動産を特定の相続人に相続させる趣旨のもの〜死亡の時に〜所有権を取得〜相続人は、自ら〜所有権移転登記手続〜でき〜遺言の内容に反する登記がされたとしても、自ら〜妨害排除請求として〜抹消を求める訴えを提起することができる〜遺言執行の余地はなく〜執行者は〜所有権移転登記手続をする権利又は義務を有するものではない。

最高裁

〜相続させる遺言が〜即時の権利移転の効力を有するからといって〜執行行為が当然に不要になるというものではない。
〜不動産取引における登記の重要性にかんがみると、相続させる遺言による権利移転について対抗要件を必要とすると解すると否とを問わず〜登記を取得させることは〜「遺言の執行に必要な行為」〜遺言執行者の職務権限に属する〜

〜登記実務上〜甲が単独で〜申請をすることができる〜から〜被相続人名義である限りは、遺言執行者の職務は顕在化せず〜執行者は登記手続をすべき権利も義務も有しない〜(〜平成三年(オ)第一〇五七号〜)。

〜他の相続人が〜自己名義の所有権移転登記を経由したため、遺言の実現が妨害される状態が出現したような場合には〜執行者は、遺言執行の一環として〜妨害を排除するため〜抹消〜を求めることができ、さらには、〜真正な登記名義の回復〜所有権移転登記手続を求めることもできる〜
〜甲において自ら〜同様の〜できるが、このことは〜執行者の右職務権限に影響を及ぼすものではない

先日の[遺言執行者がある場合の相続させる旨の遺言による所有権移転登記の申請人: 司法書士古橋清二の『朝礼ですよ』:title=古橋大先生の記事分]の続きです。

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