最高裁:代理人による権限濫用
昭和39(オ)1025 売掛代金請求
昭和42年04月20日 最一小判
裁判要旨抜き書き
代理人が自己または第三者の利益をはかるため権限内の行為をしたときは、相手方が代理入の意図を知りまたは知りうべきであつた場合にかぎり、民法第93条但書の〜類推適用〜、本人はその行為についての責に任じない〜
(抽出・加工あり。原文参照)
代理人が自己または第三者の利益をはかるため権限内の行為をしたときは、相手方が代理人の右意図を知りまたは知ることをうべかりし場合に限り、民法93条但書の規定を類推して、本人はその行為につき責に任じない〜
〜被上告会社〜主任Eは〜主任としての権限を濫用し、被上告会社〜名義を用いて上告会社と取引〜
〜上告会社支配人Dは、Eが〜その職務の執行としてなすものでないことを知りながら、あえてこれに応じて〜契約を締結〜
〜被上告会社が〜上告会社の蒙つた損害につき民法715条により使用者としての責任を負わないものと解すべき〜
〜本件〜取引による損害は、Eが被上告会社の事業の執行につき加えた損害に当たらない〜
(心裡留保)
第93条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。