Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:内容証明郵便の不達

(2010-12-22分の改記分)

平成9(オ)685 遺留分減殺〜【後半・内容証明郵便の不達部分の内容をupします。】
平成10年06月11日 最一小判
裁判要旨抜き書き

1〜遺産分割協議の申入れ〜遺留分減殺〜含まれている〜→別記事
2〜内容証明郵便が留置期間の経過により差出人に還付された場合に〜受取人が、不在配達通知書の記載その他の事情から〜遺留分減殺の意思表示又は〜これを含む遺産分割協議の申入れであることを十分に推知することができ、また、〜受領の意思があれば〜さしたる労力、困難を伴うことなく右内容証明郵便を受領することができたなど判示の事情の下においては〜意思表示は〜受取人の了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点で〜到達したものと認められる。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文

(抽出・加工あり。原文参照)

〜隔地者に対する意思表示は、相手方に到達することによってその効力を生ずる〜(97条1項)、右にいう「到達」とは〜直接受領され〜了知されることを要するものではなく〜相手方の了知可能な状態に置かれることをもって足りる〜

〜不在配達通知書の記載により〜弁護士から書留郵便〜が送付されたことを知り〜遺産分割に関するものではないかと推測〜というのであり、さらに〜この間弁護士を訪れて遺留分減殺について説明を受けていた〜内容証明郵便の内容が遺留分減殺の意思表示〜少なくともこれを含む遺産分割協議の申入れであることを十分に推知〜できたというべき〜。
−また〜受領の意思があれば〜受取方法を指定〜によって〜さしたる労力、困難を伴うことなく〜受領〜できた〜
そうすると〜内容である遺留分減殺の意思表示は、社会通念上、被上告人の了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点で被上告人に到達したものと認める〜

この判決により、下級審で分かれていた、「不在の場合」の認定について、「決着がついた」との見方もあるようです。(内容証明郵便の受取り拒否
 ただ、この判決の事例は、いろいろな経緯があるようですので、不在の場合に「原則的に到達と見られる」と言う所まではいかないような気もします。

 内容証明の不達や配達証明の問題では、幾度か苦しんだことがあり、また、昨今は「転送不要」とか「本人限定受取郵便」とか、「レターパック」とか、郵便に関わるいろいろな問題を検討することも多くなりました。
 法律手続を行なう者としては、こうした郵便手続についても詳しくないとやっていけない時代になりました。