最高裁：農協監事の責任
（2009-11-28分の改記分)
平成19(受)1503 損害賠償等請求事件
平成21年11月27日 最二小判
裁判要旨抜き書き
農協の代表理事が，補助金〜を受け〜組合〜負担のない形で堆肥センター建設事業を進めることにつき〜理事会の承認を得たにもかかわらず〜交付申請につき〜虚偽の報告をするなどして同組合の費用負担の下で〜進めた〜，
(1)〜それまでの説明に出ていなかった〜交付申請先に言及しながら〜申請先や申請内容について具体的な説明をすることなく〜受領見込みについてあいまいな説明に終始〜，
(2)〜補助金が入らない限り同事業に着手しない旨を繰り返し述べていながら，〜受領見込みを明らかにしないまま〜用地の取得を提案〜
〜資料の提出を求めるなどして〜調達方法を調査，確認することなく〜進められるのを放置した〜監事は〜任務を怠った〜
裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面････原文
(抽出･加工あり｡原文参照)
原審
〜組合長のみが常勤〜理事会の一任を取り付けた上で様々な事項を処理判断するとの慣行が存在〜運営されてきた〜，〜特に不審〜な状況もなかった〜，〜更に〜という義務を監事に課すことは，酷〜
〜監事の〜職責は，たとえ〜代表理事が理事会の一任を取り付けて〜決定〜他の理事らが〜業務執行に深く関与せず〜，監事も〜業務執行の監査を逐一行わないという慣行が存在したとしても，そのような慣行自体適正なものとはいえない〜軽減されるものではない。
〜Ａは〜方向転換してＢ財団に働き掛けたなどと述べ〜申請先や申請内容に関する具体的な説明をすることもなく〜見込みについてあいまいな説明に終始〜補助金が入らない限り〜着手しない旨を繰り返し述べていたにもかかわらず〜見込みを明らかにすることもなく〜用地取得を提案〜なし崩し的に〜工事を実施〜，以上のような〜一連の言動は〜明らかな善管注意義務違反があることをうかがわせるに十分〜
〜監事として〜上記のような説明では〜補助金の交付を受け〜実行できるか〜疑義があるとして〜申請内容や〜見込みに関する資料の提出を求めるなど〜調査，確認する義務があった〜
放置〜任務を怠った〜損害賠償責任を負う〜
参考
寄居先生が、漁業代表理事の善管注意義務違反についての最近の事例を紹介しておられました。
【金融・企業法務】 漁業代表理事の善管注意義務違反 松山地裁今治支部平成２４年８月２３日判決: 田舎弁護士の訟廷日誌（四国・愛媛）
