Genmai雑記帳

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最高裁:工場抵当法三条目録と対抗要件

平成3(オ)1762 配当異議
平成6年07月14日 最一小判
裁判要旨抜き書き

工場抵当法三条に規定する物件につき抵当権の効力を第三者に対抗するには〜目録に記載されていることを要する。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

1 被上告人〜一番の根抵当権設定登記〜工場〜であるのに〜三条目録〜は提出されていなかった。
上告人は後順位の抵当権者〜三条目録が提出〜本件物件〜が記載〜。
2〜執行裁判所は〜上告人には本件物件の売却代金に相当〜額を被上告人に優先して〜配当表〜

原審

〜土地又は建物について抵当権設定登記を経由すれば、法三条に規定する物件についても第三者に対して抵当権の効力を対抗することができ、三条目録の提出によって対抗要件が具備されるものではない〜

最高裁

〜工場抵当権〜は〜土地又は建物に付加〜一体を成した物及び〜備え付けた機械、器具その他工場の用に供する物(〜後者を「供用物件」〜)に及ぶが(法二条〜)、
法三条一項は〜登記を申請する場合には、供用物件につき目録(三条目録)を提出すべき旨を規定〜、
〜目録は登記簿の一部とみなされ〜記載は登記とみなされている。
〜記載事項に変更〜所有者は遅滞なく〜変更の登記を申請すべき旨を規定〜。

〜供用物件につき第三者に対して〜抵当権の効力を対抗するには、三条目録に〜記載されていることを要する〜三条目録の記載は第三者に対する対抗要件〜相当〜。

〜土地又は建物に対する抵当権設定の登記による対抗力は、その設定当時右土地又は建物の従物であった物についても生ずる〜(昭和43(オ)1250・昭和44年03月28日二小判〜)、〜供用物件のうち〜設定当時工場に属する土地又は建物の従物であったものについては三条目録の記載を要しないとする考え方もあり得ないではない。

しかしながら、供用物件のうち〜従物〜について〜記載を要しないとすれば〜当事者ないし第三者は、特定の供用物件が従物に当たるかどうかという実際上困難な判断を強いられ〜執行裁判所もまた同様〜。

〜法が〜三条目録を提出すべきものとしている趣旨は、供用物件が従物に当たるかどうかを問わず、一律にこれを三条目録に記載すべきものとし〜困難な判断を回避し〜実行手続を簡明なものとすることにもある〜。

〜本件物件が供用物件に当たることは明らか〜三条目録が提出されていなかったのであるから〜上告人に優先して〜配当を受けることはできない〜。

2012-11-10さんが、取り上げておられましたので、原文を読んでみました。
 登記簿を見ていると、良くある状態ですが、注意が必要ですね。