Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:退職慰労年金の廃止

(2010-03-20分の改記分)
平成21(受)1154 退職慰労金等請求事件
平成22年03月16日 最三小判
裁判要旨抜き書き

 〜総会の決議を経て,役員〜退職慰労金の算定基準等を定める会社の内規に従い支給されることとなった会社法361条1項にいう取締役の報酬等に当たる退職慰労年金について,退任取締役相互間の公平を図るため集団的,画一的な処理が制度上要請されているという理由のみから,上記内規の廃止の効力を既に退任した取締役に及ぼし,その同意なく未支給の退職慰労年金債権を失わせることはできない。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

(2)〜総会において〜退職慰労金を贈呈することとし〜金額〜時期,方法等については取締役会に一任〜取締役会は〜代表取締役に一任〜
(3)〜内規が存在〜,退職慰労一時金と退職慰労年金とがあり〜年金〜月額〜支給期間〜20年間〜
(5) 〜経常損失〜公的資金の投入〜。〜持株会社〜業務改善命令を受けた。
(7) 〜内規を廃止〜決議〜年金の支給を打ち切った〜

原審

〜年金支給〜契約は〜個別の交渉によって合意に至ることが予定されておらず〜異なる時期に退職する取締役相互間の公平を図るため〜内規に従い画一的に金額が算出〜。〜20年という長期〜,社会経済情勢,会社の状況等が大きく変化した場合〜不公平が生ずるおそれ〜。〜集団的,画一的処理を図るという制度的要請から〜変更等の必要性,内容の妥当性,手続の相当性を考慮して一定の場合には〜改廃〜でき〜同意しない者に〜もその効力が及ぶ〜。〜経営状況等に照らし〜廃止の必要性は極めて高かった〜廃止〜決議により〜同意しない〜効力が及ぶ〜

最高裁

会社法361条1項にいう報酬等〜。〜総会決議による個別の判断を経て初めて〜支給〜契約が成立〜年金債権を取得〜。〜算定基準等を定めているからといって,異なる時期に退任する取締役相互間についてまで画一的に退職慰労年金の支給の可否,金額等を決定することが予定されているものではなく,退職慰労年金の支給につき,退任取締役相互間の公平を図るために,いったん成立した契約の効力を否定してまで集団的,画一的な処理を図ることが制度上要請されているとみることはできない

〜総会決議による個別の判断を経て〜年金債権を取得したものである以上〜支給期間が長期にわたり〜社会経済情勢等が変化し得ることや〜内規の改廃により将来退任する取締役との間に不公平が生ずるおそれがあることなどを勘案しても〜集団的,画一的処理が制度上要請されているという理由のみから〜内規の廃止の効力を既に退任した取締役に及ぼすことは許されず〜同意なく〜年金債権を失わせることはできない

 どうも判断しにくい事例ですが、公的資金の投入を受けた銀行のことのようであり、アメリカはウオール街の役員賞与に対して、法律を作って停止するようなことを言っておりましたが、それが法律的は正当なやり方かもしれません。