Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:議決意思表示の動機の錯誤

(2010-03-26分の改記分)
平成20(受)1392 各損害賠償,理事会決議無効確認等請求事件
平成22年03月18日 最一小判
判示事項抜き書き

 学校法人の理事長Aが〜旧理事らは辞任し〜B及び〜を後任の理事に選任〜,Bの責任において〜法人の借入金債務について〜金融機関と交渉して旧理事らの連帯保証債務を免れさせること〜合意〜,Bには〜免れさせる〜能力がなかった〜意思表示又は議決権行使が要素の錯誤により無効であるとはいえない〜事例

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(抽出・加工あり。原文参照)

(3) 〜旧理事らは,上告人Y1の理事を辞任〜Y2及び〜を後任の理事に選任〜決議をすること〜Y2は,B又は〜に対し合計2億1500万円を支払うほか〜Y2の責任において〜金融機関と交渉〜債務免除〜など〜により旧理事ら及びBの〜連帯保証債務を免れさせること〜合意

(4)〜借換えの約束を〜Y2が実行できず,いったん取りやめ〜Y2において〜C大学の前理事長Dらの大物3名の理事への就任が予定され,将来的にはC大学がA学園を経営することなどを説明〜借換えが可能になると〜信用〜本件合意が成立〜。

(5) 〜旧理事らは〜辞任〜Y2〜理事長に選任〜Y2は,B又は〜に対し〜合計2億1500万円を支払った。
(8) 〜Y2は〜借入金債務について連帯保証をしたが〜金融機関は〜Y2の資力,信用のみをもってしては,被上告人ら及びBの〜連帯保証債務を免除することはできないとして〜。
(9) 〜Y2が〜就任すると述べた大物3名のうち,Dほか1名は理事に就任〜以降辞任〜他1名〜は〜就任登記がされたものの〜抹消。〜C大学による経営の話については〜Dから債務肩代わりの申出があったが,経営の実権を取り上げようとしているものと考えた〜Y2は〜断った。

原審

〜議決権行使等〜は〜Y2が〜金融機関と交渉して旧理事ら及びBの〜保証債務を免れさせる旨の債務〜を履行することができると信じていたから〜,〜Y2は〜免除を承諾させるような資力や信用を〜有しておらず〜債務を履行〜力量がなかった〜。〜議決権行使等〜動機の錯誤〜動機は表示されていた〜錯誤により無効〜。〜理事選任決議〜理事長選任決議も無効〜。

最高裁

〜金融機関と交渉して〜保証債務を免れさせるという債務を履行する力量についての誤信は,ただ単に〜履行〜能力があると信頼したにもかかわらず,実際には〜なく〜履行〜できなかったというだけでは〜要素の錯誤とするに足りず,
−〜資力〜資金調達の見込み等,債務の履行可能性を左右すべき重要な具体的事実に関する認識に誤りがあり,それが表示されていた場合に初めて,要素の錯誤となり得る
〜事情として〜Y2から〜大物3名の〜理事への就任が予定され,将来的にはC大学がA学園を経営することになるという説明がされたことがあるが,これらは〜議決権行使等の当時においては現実に存在した事柄〜その後〜成立〜に至らなかったとしても〜議決権行使等の当時において〜錯誤があったことになるものではない。
−そのほかに〜債務の履行可能性を左右すべき重要な具体的事実に関して〜錯誤があったことをうかがわせる事情は存しない〜力量〜信頼していたとしても〜表示されていたか否かにかかわらず,要素の錯誤があった〜いえない。
〜議決権行使等が要素の錯誤により無効であるということはできない。