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最高裁(新):固定資産評価審査決定取消等請求事件

平成24(行ヒ)79 固定資産評価審査決定取消等請求事件
平成25年07月12日 最二小判
裁判要旨抜き書き

1 固定資産課税台帳に登録された〜土地の価格が〜評価基準によって決定される価格を上回る場合における〜登録された価格の決定の適否
2 〜評価基準に従って決定される〜土地の価格とその適正な時価との関係

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(抽出・加工あり。原文参照)
原審

 〜固定資産評価審査委員会の決定の取消しの訴え〜,原則として〜登録〜価格が適正な時価を超えた違法があるかどうかが審理判断の対象〜
〜例外的に〜手続に不服審査制度の根幹に関わり結論に影響がなくても違法として取り消されなければ制度の趣旨を没却することとなるような重大な手続違反があった場合〜決定を取り消すこととなる〜。

〜上告人は〜登録価格〜の決定には標準宅地の適正な時価の評定の誤りなど多くの誤りがあり〜評価基準〜によって決定された価格とはいえない旨主張〜,〜重大な手続違反を主張するものではなく,適正な時価を超えた違法があると主張するに帰するもの〜判断に当たっては適正な時価を超えているかどうかを検討すれば必要かつ十分〜。

最高裁

(1)ア 地方税法は〜課税標準を〜価格で〜課税台帳〜に登録されたもの〜とし〜,上記の価格とは「適正な時価」をいうと定めている〜,〜適正な時価とは,正常な条件の下に成立する〜取引価格,すなわち,客観的な交換価値〜。したがって〜登録価格が〜客観的な交換価値を上回れば〜決定は違法〜(平成10年(行ヒ)41・同15年06月26日一小判)。

イ また,地方税法は,〜評価の基準〜評価〜方法〜手続を〜大臣〜の告示に係る評価基準に委ね〜,市町村長は,評価基準によって〜決定しなければならないと定めている〜。〜評価基準に従って公平な評価を受ける利益は,適正な時価との多寡の問題とは別にそれ自体〜保護されるべきもの〜

したがって,〜登録価格が評価基準によって決定される価格を上回る場合〜客観的な交換価値としての適正な時価を上回るか否かにかかわらず〜登録価格の決定は違法〜〜。

ウ そして〜〜評価基準の定める評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであり,かつ,〜登録価格がその評価方法に従って決定された価格を上回るものでない場合には〜登録価格は,〜特別の事情の存しない限り〜客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認〜(平成11(行ヒ)第182・同15年07月18日二小判,平成18(行ヒ)179・同21年06月05日二小判)。

エ 以上に鑑みると〜決定が違法となるのは〜,
〈1〉〜適用される評価基準の定める評価方法に従って決定される価格を上回るとき(〜イの場合)〜,
〈2〉〜上回るものではないが,その評価方法が〜一般的な合理性を有するものではなく,又はその評価方法によっては〜適切に算定〜できない特別の事情が存する場合(上記ウの推認が及ばず,又は〜覆される場合)であって,〜客観的な交換価値としての適正な時価を上回るとき(上記アの場合)である〜。

(2)ア 〜適正な時価との多寡についての審理判断とは別途に,上記(1)エ〈1〉の場合に当たるか否か(〜)審理判断〜必要〜,原審は〜これを不要であるとして〜審理不尽〜。

イ〜(1)エ〈2〉の場合に当たるか否かの判断に当たっては,〜評価基準の定める評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであるか,その評価方法によっては〜算定〜できない特別の事情があるか等についての審理判断〜必要〜,原審は〜評価基準によらずに認定した〜適正な時価が〜登録価格を上回ることのみを理由として〜違法ではないとしており〜審理不尽〜