Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:虚偽事実による勝訴判決

(2010-04-15分の改記分)
平成21(受)1216 損害賠償等請求事件
平成22年04月13日 最三小判
判示事項抜き書き

 〜虚偽の事実を主張して裁判所を欺罔し勝訴〜したことを理由とする不法行為に基づく損害賠償請求が許されないとされた事例

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

(1) 上告人は〜土地〜建物〜を〜買い受けた
(2) 被上告人は〜仲介〜Bは〜代表者〜。
〜重要事項説明書には,「市街化調整区域の建築制限あり」等の記載〜具体的内容〜記載はなかった。
(3) 〜県知事の許可を受けなければ〜居住〜建て替え〜できない〜Bから〜説明を受けなかった〜損害等を受けた〜不法行為に基づく損害賠償〜「前訴」〜を提起
〜被上告人は〜具体的内容〜説明を受けており,知人から〜建築制限〜について話を聞き〜知り得た〜損害がない〜を主張〜。
(4)〜控訴審〜重説の交付〜説明がされたということはできず〜不法行為責任〜請求の一部を認容〜。
(6)〜仮執行宣言付きの前訴判決〜預金〜差押〜取り立てた。

原審

前訴において,
〈1〉〜Bの説明内容や知人からも〜建築制限〜〜聞いたことにつき,虚偽の供述〜建て替えるつもりで行ったという公的機関とのやりとり〜虚偽の供述〜,
〈2〉〜建替えの意思の有無に関し,虚偽の供述〜,
〈3〉前訴の提起時には〜土地建物を既に売却していた〜売却前の〜登記簿謄本を提出〜
〜権利制限があることを分かっていながら,居住目的で〜購入〜17年間〜居住利益を享受し,損害がないにもかかわらず〜バブル期に購入〜譲渡損〜損害を回復するため,前訴を提起〜虚偽の主張立証〜前訴裁判所を欺罔〜勝訴〜を詐取〜債権執行〜不法行為〜。

最高裁

〜本件訴訟は,前訴判決の既判力ある判断と実質的に矛盾〜確定判決が存在する場合〜判決の成立過程における相手方の不法行為を理由として〜既判力ある判断と実質的に矛盾する損害賠償請求をすることは,確定判決の既判力による法的安定を著しく害する〜原則として許されるべきではなく,
−〜相手方〜を害する意図〜作為又は不作為によって〜訴訟手続に関与することを妨げ,あるいは虚偽の事実を主張〜裁判所を欺罔〜などの不正な行為を行い〜結果〜あり得べからざる〜確定判決を取得〜執行〜など,
−〜著しく正義に反し〜既判力による法的安定の要請を考慮してもなお容認し得ないような特別の事情がある場合に限って,許される〜。

原審〜前訴において〜攻撃防御を尽くした事実認定上の争点や〜周辺事情について〜異なる〜認定〜虚偽の事実を主張して裁判所を欺罔したなどとして不法行為の成立を認めるもの〜
−〜基本的には同一の証拠関係の下における信用性判断〜証拠の評価が異なった結果〜異なる〜認定〜。
−〜他に〜著しく正義に反し〜既判力による法的安定の要請を考慮してもなお容認し得ないような特別の事情があること〜〜許されない〜。

 裁判制度からすれば納得できなくもありませんが、業者がかわいそうに思えました。