Genmai雑記帳

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大阪高裁:主債務の時効完成、保証債務の承認後の援用

(2009-08-分の改記分)
平成4(ラ)493 仮差押認可決定に対する保全抗告事件
平成5年10月04日 大阪高裁 第五民事部
裁判要旨

保証人は、主債務について消滅時効が完成した後に保証債務を承認した場合であっても、右主債務の消滅時効を援用することができる。

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(抽出・加工あり。原文参照)

〜本件貸金(主債務)について五年の消滅時効期間が経過し、相手方のした物上保証人の担保物件に対する競売申立による時効中断は認められず、消滅時効が完成したものと判断する。〜

〜連帯保証人として弁済するよう求めたところ、抗告人は、連帯保証債務の存在自体は争わず、「五〇〇万円を弁済するのでその余の債務を免除してほしい。」旨申し出た〜抗告人は、右申出は連帯保証債務を承認したものではなく〜仮差押を解放して貰うため示談の打診をしたに過ぎないと主張〜打診が〜連帯保証債務を承認した上でされたことはその経過に照らして否定し難い〜。

〜一般的に消滅時効が完成した後に債務者が自己の負担する債務を承認した場合〜もはや〜時効の援用をしない趣旨であると考えるのが通常〜その後は債務者に時効の援用を認めないのが信義則に照らし相当〜
〜主債務について時効が完成した後に保証人が保証債務を承認した場合に主債務の時効消滅を主張しうるかどうかは別の問題〜

〜本来〜保証債務を履行した場合主債務者に対して求償することができるのに、主債務の時効が完成し〜た場合〜求償の途を絶たれる〜
〜保証債務は主債務が消滅した場合これに付従して消滅する性質の債務〜(尤も〜援用が相対的〜保証人において援用しない限り保証人に対する請求は可能〜)
〜保証人は主債務の時効消滅後に自己の保証債務を承認したとしても、改めて主債務の消滅時効を援用することができる〜。

東京地判:連帯保証人に対する確定判決による時効期間延長の効果 - g-note(Genmai雑記帳)の判決で引用していましたので、読んでみました。