東京地裁:遺言と異なる遺産分割による登記1(香川判決関連)

平成12(ワ)24447 土地持分移転登記手続請求事件
平成13年06月28日 東京地判
判示事項抜き書き・加筆

 〜遺言と異なる〜遺産分割協議を行い〜相続登記を行った場合に〜遺言執行者が〜遺言〜とおりに移転登記〜求める〈真正な登記名義の回復〉ことの可否

原文(加工あり。)
3 原告の主張

(3) 本件遺言の効力
相続させる〜遺言は、遺産の分割方法を定めたもの〜これと異なる遺産分割協議はできない。
(4) 本件遺産分割協議の効力
 〜相続登記は〜遺言により当然にN子に帰属〜民法一〇一三条に違反し絶対的に無効〜。
(5) 原告の登記請求の可否
 〜本件遺産分割協議が〜取得した〜持分を他の相続人に贈与・交換する趣旨であれば、本件相続登記は中間省略登記〜遺言者の意思に反する行為〜。

第3 争点に対する判断

3 本件遺言の効力
香川判決要旨を記載〉〜本件土地持分は、遺言により当然N子に帰属していることになる。
4 本件遺産分割協議の効力
 〜一〇一三条によれば〜遺産分割行為は無効〜。
 もっとも、本件遺産分割〜は、分割方法の指定のない財産についての遺産分割の協議と共に、〜N子が〜遺言によって取得した取得分を相続人間で贈与ないし交換的に譲渡する旨の合意をしたもの〜私的自治の原則〜有効な合意〜。
5 原告の登記請求の可否
〜合意が有効であるとすると〜登記は現在の実体的権利関係に合致していることになる。〜
〜いったん〜取得した持分を自己の意思で処分すること自体は〜遺言者としても容認せざるを得ない〜、
−〜遺言者の意思として〜対抗要件面においても正確な権利移転の経過を登記簿に反映することを厳格に希望していたとまでは認めがたい。〜
〜原告自身も〜抹消〜ではなく真正〜回復〜を求めている〜必ずしも〜経過を正確に反映することを求めていない〜
〜現状の権利関係に合致する現在の登記の抹消を求める法律上の利益があるとは言い難い。

 「相続させる」旨の遺言と遺産分割・登記(月刊登記情報) - g-note(Genmai雑記帳)で取り上げておられた判決です。

 香川判決に忠実に沿うと、こうなると言うことでしょうか。
結局、「中間省略登記もされてしまえば有効」と言う旧来からの流れで落ち着いたと言うことになりましょうか?(そう言えば、香川先生は、中間省略登記自体については合法説だと見たような気がしますが・・・関係ないですが・・・)