最高裁:接道義務と囲繞地通行権

平成8(オ)539 通行権確認等請求事件
平成11年07月13日 最三小判
裁判要旨

 公道に1・45メートル接する甲土地の上に建築基準法が施行されるよりも前から存在した建築物が老朽化したために取り壊されたが〜当時〜隣接し右公道に接する乙土地は同法の〜適用される建築物の敷地とされていたなど〜の事実関係の下においては〜いわゆる接道要件を満たすべき〜囲繞地通行権は、認められない。

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(抽出・加工あり。原文参照)

二〜被上告人は〜建築基準法四三条一項本文は〜道路と二メートル以上接しなければならない旨定めている〜、〜所有地は、接道要件を満たしておらず〜宅地として使用〜できない〜袋地〜上告人所有地のうち玄関前部分に含まれる〜幅員〇・五五メートルの部分〜につき囲繞地通行権を有する〜ブロック塀のうち〜係争地上に存在する部分の収去等を求めている。

原審

1 〜所有地は、宅地〜利用〜がその用法に最もかなっている〜接道要件を満たさない〜建築〜できない。〜袋地状態〜。
2 〜生活道路として使用されていたこと〜ブロック塀のうち〜部分の収去に要する費用は二〇万四〇〇〇円程度にすぎず被上告人はこれを負担することを申し出ていること、〜、〜使用できなくなると上告人所有建物の出入口はやや手狭〜建物の印象が低下〜おそれがあるものの〜被上告人に対して償金を請求することも可能〜などを考慮〜理由がある。

最高裁

民法二一〇条は〜必要不可欠な公路に至る通路を欠き袋地〜囲繞地を通行することを一定の範囲で受忍すべき義務を課し〜袋地の効用を全うさせようとするもの〜。
建築基準法四三条一項本文は、主として避難又は通行の安全を期して、接道要件を定め〜公法上の規制を課している。

〜その趣旨、目的等を異にしており、単に〜接道要件を満たさないとの一事をもって〜接道要件を満たすべき〜囲繞地通行権が当然に認められ〜ない(〜昭和34年(オ)1132昭和37年03月15日一小判〜)。
 〜本件〜公道との往来通行をするについて支障が存在するからではなく、現存の通路幅では〜接道要件を満たすことができないという点。〜、

〜被上告人が〜建物を取り壊し〜所有地に〜接道要件〜が適用されることとなった当時、〜既に建築基準法上も適法に上告人所有建物の敷地の一部とされていた〜もし〜重ねて被上告人の建築物の敷地の一部として使用させたならば、特定の土地を一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物についてのみその敷地とし得るものとする建築基準法の原則(同法施行令一条一号参照)と抵触する状態が生じ、上告人所有建物は〜基準に適合しないものとなるおそれもある。〜原審〜は〜所有者の必要を配慮する余り、法令全体の整合性について考慮を欠く〜。

民法

(公道に至るための他の土地の通行権)
第二百十条 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

建築基準法

(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(〜を除く〜)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。
(以下省略)

次の記事に引用してありましたので、読んでみました。
無道路地でも隣地通行権があれば建築確認が下りるか(その3) - 不動産鑑定士・弁護士が名古屋・愛知県の不動産と相続の問題を解決