Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

東京地裁:遺言執行・遺留分なき者への通知、交付義務

(2011-01-29分の改記分)
平成18(ワ)23616 損害賠償請求事件
平成19年12月03日 東京地判
判示事項抜き書き

〜遺言執行者等が〜相続人に〜財産目録を交付せず,事前に通知〜ないまま〜不動産を処分〜相続人から〜損害賠償請求が認容〜事例

 判決原文
(抽出・加工あり。原文参照)

目録交付義務、状況・結果報告義務

民法〜遺言執行者は遺言者の相続人の代理人〜遅滞なく相続財産の目録を作成して相続人に交付〜ほか、善管注意義務に基づき遺言執行の状況及び結果について報告しなければならない〜〜このことは〜遺留分を有するか否かによって〜区別〜ない〜,〜遺留分〜否か,〜個別の財産〜か,全財産を包括的に遺贈〜かにかかわらず,等しく適用〜。

〜全部の包括遺贈〜遺留分〜ない〜相続人は相続に関するすべての権利を喪失〜直接確認する法的利益がある〜
遺留分が〜ない相続人に〜も,遅滞なく〜目録〜作成〜交付〜善管注意に基づき〜執行の状況〜適宜説明や報告〜義務〜

〜もっとも〜相続人による〜執行行為への過度の介入を招き,かえって〜執行を妨げる結果〜も懸念〜,個々の〜執行行為に先立って常に〜説明しなければならないとすることは相当ではない。
〜説明や報告の内容や時期は,適正〜迅速な〜執行を実現〜ために必要〜か否か〜相続人に〜不利益〜可能性〜否かなど諸般の事情を総合的に勘案〜個別具体的に判断されるべき〜

就任通知、財産処分通知

〜現行法〜就任〜通知〜規定〜ない〜,〜財産を処分〜事前〜通知〜規定も〜ない。〜一般的にいえば〜当然〜しなければならないものではない。

〜相続人である以上〜知らなければ〜相続しているものと考えて〜第三者に〜処分〜も十分に考えられる〜
〜相続人は〜執行を妨げるべき行為を〜できないとされている〜知らずに〜処分〜取引の〜効果を否定されることとなり〜第三者〜が害される〜,相続人自身も,予測〜ない不利益を被るおそれがある〜

〜遺言執行者の単独申請によって〜相続人名義への〜所有権移転登記手続が可能〜形式的に相続人に対して譲渡所得税や不産取得税や固定資産税等が賦課される可能性があり〜驚かせ,混乱させ〜印鑑が盗用〜などと不安〜。

〜相続人が〜知っている〜場合や〜財産が動産や現金等だけで〜即時取得〜などによって第三者も保護されるような場合でない限り〜善管注意義務〜として,〜遅滞なく〜就任〜通知するか〜不動産を〜換価処分する旨を通知しなければならない〜

 かつて、同じようなケースで悩んだ判例です。
 遺言執行と不動産登記(月報司法書士 2013.9) - g-note(Genmai雑記帳)で取り上げておられましたので、原文を入手して、再読してみました。