Genmai雑記帳

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最高裁(新):株式・投資信託・国債の相続

(注目判例です。)
平成23(受)2250 共有物分割請求事件
平成26年02月25日 最三小判
裁判要旨抜き書き

1〜委託者指図型投資信託の受益権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない
2〜個人向け国債は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない

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(抽出・加工あり。原文参照)

国債〜,〜投信受益権〜株式〜を〜各〜4分の1〜共有〜とする遺産の分割等の審判〜。

〜本件国債等の共有物分割を求める〜,

原審

〜本件国債等はいずれも〜相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され〜準共有となることがない〜,本件遺産分割審判は〜国債等が4分の1の割合に相当する金額,口数又は数に分割されて〜帰属している旨を確認したにすぎない〜不適法〜却下〜

最高裁

(1) 株式は,株主たる資格において〜有する法律上の地位を意味し,株主は,株主たる地位に基づいて,剰余金の配当を受ける権利〜,残余財産の分配を受ける権利〜などのいわゆる自益権と〜総会における議決権〜などのいわゆる共益権とを有する〜(〜昭和42年(オ)1466同45年07月15日大判〜),〜権利の内容及び性質に照らせば〜
〜株式は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない〜というべき〜(〜昭和42年(オ)867同45年01月22日一小判〜)。

(2)〜委託者指図型投資信託〜に係る信託契約に基づく受益権〜,〜口数を単位とするもの〜内容として〜償還金請求権及び収益分配請求権〜という金銭支払請求権のほか〜帳簿書類の閲覧〜謄写の請求権〜等の委託者に対する監督的機能を有する権利が規定されており,可分給付〜権利でないものが含まれている。〜権利の内容及び性質に照らせば,
投資信託受益権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない〜というべき〜。

(3)〜個人向け国債の額面金額の最低額は1万円とされ,その権利の帰属を定めることとなる〜法律の規定による振替口座簿の記載〜記録は,上記最低額の整数倍の金額によるものとされており〜,取扱機関の買取りにより行われる個人向け国債の中途換金〜も,上記金額を基準として行われるものと解される。〜個人向け国債は,法令上,一定額をもって権利の単位が定められ,1単位未満での権利行使が予定されていない〜,〜内容及び性質に照らせば
〜個人向け国債は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない〜というべき〜。

(4)〜最終的な帰属は,遺産の分割によって決せられるべきことになる〜,〜本件遺産分割審判によって〜各〜4分の1の割合による準共有となったことになり,上告人らの主位的請求に係る訴えは適法〜。