Genmai雑記帳

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最高裁(新):後見人選任による遺留分減殺請求権の時効停止

平成25(受)1420 遺留分減殺請求事件
平成26年03月14日 最二小判
裁判要旨

 時効期間の満了前6箇月以内の間に「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況」にある者に法定代理人がない場合〜,少なくとも,時効期間の満了前の申立てに基づき後見開始の審判がされたときは,民法158条1項が類推適用される

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(抽出・加工あり。原文参照)

(2)(被相続人)は,平成20年10月22日,死亡〜
(4)〜平成21年8月5日〜(相続人)に〜後見開始の審判の申立て〜
(5) 平成22年4月24日〜後見を開始
(6) 〜平成22年4月29日〜遺留分減殺〜意思表示〜

最高裁

(1)〜158条1項は,時効の期間の満了前6箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人〜に法定代理人がないときは〜行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から6箇月〜間は時効は完成しない〜趣旨は〜等は法定代理人を有しない場合〜時効中断の措置を執ることができない〜酷である〜保護するところ〜。〜

上記規定〜成年被後見人等のみが掲げられている〜,〜その該当性〜法定代理人の選任の有無〜時期が形式的,画一的に確定し得る〜から,これに〜満了前6箇月以内〜に法定代理人がないときという限度で時効の停止を認めても,必ずしも〜援用〜者の予見可能性を不当に奪うものとはいえないとして〜保護を図っているもの〜。

〜精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるものの,まだ後見開始の審判を受けていない者〜,既にその申立てがされていたとしても,もとより〜成年被後見人に該当〜ない。
〜しかし,上記の者についても〜時効中断の措置を執ることができないのであるから〜同様に保護する必要性〜〜。また〜その後に〜開始の審判がされた場合に〜158条1項の類推適用を認めたとしても〜援用〜者の予見可能性を不当に奪うものとはいえないときもあり得る〜,申立〜時期,状況等によっては〜類推適用を認める余地がある〜。

時効の期間の満了前6箇月以内の間に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合に〜少なくとも〜期間の満了前の申立てに基づき後見開始の審判〜158条1項の類推適用〜法定代理人が就職〜から6箇月を経過〜まで〜は〜時効〜完成しない〜。

〜本件〜後見開始〜申立て〜1年の遺留分減殺請求権の時効の期間の満了前〜,〜平成22年4月24日から6箇月を経過するまで〜は〜〜消滅時効は,完成しない〜。