Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:売買瑕疵担保・除斥期間

昭和63(オ)1543 損害賠償
平成4年10月20日 最三小判
裁判要旨抜き書き

一 民法566条3項にいう1年〜は、除斥期間〜。
二 瑕疵担保による損害賠償請求権を保存するには〜除斥期間内に、売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げる〜をもつて足り、裁判上の権利行使〜まで〜必要〜ない。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)
上告人主張

〜商法526条〜商人間の売買において〜瑕疵があった場合〜損害賠償請求権は遅くとも6か月以内に行使されなければならない〜被上告人〜3年以上〜経過〜訴状を提出〜不適法〜。

原審

四〜被上告人は〜転売先から通知を受けて瑕疵を発見〜直ちに〜通知〜したと〜認定〜、
商法526条は〜検査及び〜通知義務〜規定〜、〜怠ったときは損害賠償を請求し得なくなるというもの〜、権利の不行使による損害賠償請求権の消滅に関する規定ではない〜損害金全額〜を認容〜。

最高裁

商法526条は、商人間の売買における目的物に瑕疵〜数量不足〜場合に、買主が売主に対して損害賠償請求権等の権利を行使するための前提要件を規定〜同条〜の義務を履行することにより買主が行使し得る権利の内容及びその消長〜は、民法の一般原則の定めるところ〜。

民法570条、566条3項により、買主が瑕疵又は数量不足を発見した時から1年の経過により消滅する〜、〜商法526条の規定による〜要件〜充足〜とは関わりがない。そして、この1年の期間制限は、除斥期間〜、
〜この〜請求権を保存するには〜売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げることをもって足り、裁判上の権利行使〜までの必要はない〜。

〜ないし翌55年1月初めに〜瑕疵〜を知った〜、〜本訴を提起〜は〜1年以上を経過した昭和58年〜。〜除斥期間の経過の有無について何ら判断することなく〜請求を認容〜原判決〜理由不備の違法〜、〜破棄〜。

〜〜1年の〜経過をもって、直ちに〜請求権が消滅〜ということはできないが、〜請求権を保存するには、少なくとも〜具体的に瑕疵の内容と〜請求をする旨を表明〜請求〜損害額の〜根拠を示すなどして、売主の担保責任を問う意思を明確に告げる必要がある。
除斥期間内にこれを保存した〜か〜につき、更に審理〜原審に差し戻〜。

商法(抽出・加工あり。原文参照)

(買主による目的物の検査及び通知)
第526条 商人間の売買〜買主は〜売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
2 〜検査により売買の目的物に瑕疵があること〜数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対して〜通知を発しなければ、その瑕疵〜数量の不足を理由として契約の解除〜代金減額若しくは損害賠償の請求〜できない。直ちに発見〜できない瑕疵〜、〜六箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様〜。
3 前項の規定〜売主が〜悪意〜、適用しない。

民法

(売主の瑕疵担保責任
第570条 売買の目的物に隠れた瑕疵〜第566条〜を準用〜。〜

(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
第566条 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合に〜、買主がこれを知らず、かつ、そのために〜目的を達することができないときは、買主は、契約の解除〜できる。〜解除〜できないときは、損害賠償の請求のみ〜できる。
2(略)
3 前二項〜、契約の解除〜損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。

月報司法書士・時効関係編(1)-1 - g-note(Genmai雑記帳)で引用されておりましたので、読んでみました。