Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:農地法申請協力義務の時効

昭和59(オ)211 所有権移転請求権保全仮登記抹消登記手続等本訴〜
昭和61年03月17日 最二小判
裁判要旨抜き書き

 農地の売買〜知事に対する〜許可申請協力請求権の消滅時効期間が経過してもその後に右農地が非農地化した場合〜買主に所有権が移転し、非農地化後にされた時効の援用は効力を生じない。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

〜Dの所有〜昭和三一年一二月〜Eに売り渡し〜仮登記〜
〜Dは昭和三七年三月〜死亡〜被上告人らが〜相続〜
〜Fは、昭和四三年一一月〜Eから〜買主たる地位の譲渡を受け〜仮登記〜附記〜昭和五六年一一月〜死亡〜上告人らが、F〜を相続〜

原審

〜知事の許可が法定条件となつていた〜許可申請協力請求権〜は〜四一年一二月〜経過とともに時効により消滅〜
〜右法定条件は不成就に確定〜Eに移転しないことが確定〜被上告人らに帰属することに確定〜
〜附記登記の抹消〜認容〜。

最高裁

167条1項は「債権ハ十年間之ヲ行ハサルニ因リテ消滅ス」と規定しているが、他方、同法145条及び146条は、時効による権利消滅の効果は当事者の意思をも顧慮して生じさせることとしていることが明らか〜
時効による債権消滅の効果は、時効期間の経過とともに確定的に生ずるものではなく、時効が援用されたときにはじめて確定的に生ずる

〜知事に対する許可申請協力請求権の時効〜消滅の効果も、一〇年の時効期間の経過とともに確定的に生ずるものではなく、売主が右請求権についての時効を援用したときにはじめて確定的に生ずる〜

〜右時効の援用がされるまでの間に〜非農地化〜その時点において〜農地の売買契約は当然に効力を生じ、買主にその所有権が移転する〜その後に〜消滅時効を援用してもその効力を生ずるに由ないもの〜。〜

 しかし、これを任意の登記申請で実現しようとすると、なかなか難しいように思います。
非農地証明も許可書も付けずに地目変更登記を出す方法によることになりましょうか。

月報司法書士・時効関係編(1)の2 - g-note(Genmai雑記帳)で引用されておりましたので、読んでみました。