Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

自白と冤罪

町村先生が、なかなか「深い」記事を書いておられます。

〜片山さんが保釈〜墓穴を掘る行動により自白に転じた後にあっては、それまで彼の無実を示すものと考えられたり、少なくとも重大な疑問点とされていた様々な事実・証拠が、一転、彼の犯行を示すものとして解釈し直されている。

〜自白に転じたことを除けば、今でも彼の犯人性について疑問の余地があるということは考えられる。にもかかわらず、自白に転じた事実を除外して考えることができないから、あらゆる証拠・事実から疑問の余地なく片山さんが犯人だと考えて安んじることになる。〜

〜ミステリなら〜出来が悪いということになるが、現実では〜、結局無理やり結論に結びつく強引な解釈をしたり、別の事実を想像で補って合理的解釈可能な位置づけをしたりする。

これは、自白調書の存在に依存して事実・証拠を曲解してしまい、無実の被告人を有罪と確信してしまう裁判官の心理と同様〜
〜裁判官は事実認定のプロ〜排除された証拠を考慮しないで事実認定をすることができる〜果たしてどうか?
〜自白の存在を知り、それを前提とする再評価を他の証拠・事実に対して施して有罪の心証を固め、その心証に合致する自白調書には信用性が認められるとのトートロジーに陥いる可能性は否定出来ない。

〜過去の冤罪事件〜判決文〜逆方向の後知恵だが、トートロジーや強引な解釈、想像で補った証拠評価が見られる。

結局、刑事裁判は、誤審を根絶することはできない。ましてや裁判員をや。
〜外野では、犯人と決め付けることも、無実と信じることも、常に一定の留保が付きまとわざるをえない。

ただし、だからといって外野は一切口を出すなということにもならない〜
〜裁判の公開が憲法上の原則とされている所以は、不完全な情報環境の下でも外野が議論と監視を尽くすことを期待して、裁判の公正を図ろうとするもの〜秘密裁判〜権力者を利することになる。
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