Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:遺言後に協議離縁した場合

昭和56(オ)310 所有権移転登記
昭和56年11月13日 最二小判
裁判要旨抜き書き

 〜扶養を受けることを前提として養子縁組〜所有〜不動産の大半を〜遺贈〜遺言〜、その後〜不信の念〜協議離縁〜、法律上も事実上も扶養を受けないことにした場合〜遺言は〜協議離縁と抵触〜一〇二三条二項〜により取り消されたものとみなすべき〜。

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(抽出・加工あり。原文参照)

〜終生老後の世話を託すべく〜上告人らを養子として〜希望〜。〜上告人らは当初難色〜が、Dから「〜他の不動産を全部遺贈してもよい」
との〜申出を受けたので〜承諾〜養子縁組〜同居〜扶養〜。〜公正証書〜遺言〜

〜ところが〜上告人A〜会社が倒産〜A〜がDに無断でD所有の不動産に〜四億円の債務担保のため根抵当権設定〜
〜Dが〜激怒〜A〜は、6か月以内に〜設定登記等を抹消し〜Dから右会社が借用していた一五〇〇万円を返還することを約し〜念書を〜差し入れたが〜履行〜に至らなかつた。

〜不信の念〜養子縁組を解消したい旨申し入れ〜承諾〜協議離縁〜別居〜。

1023条1項は〜前の遺言と後の遺言と抵触〜抵触〜部分について〜前の遺言を取り消したものとみなす旨定め〜
〜二項は、遺言と遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合にこれを準用〜
〜法意は、遺言者がした生前処分に表示された遺言者の最終意思を重んずるにあることはいうまでもないから〜
二項にいう抵触とは、単に〜執行が客観的に不能となるような場合にのみにとどまらず、諸般の事情より観察して後の生前処分が前の遺言と両立せしめない趣旨のもとにされたことが明らかである場合をも包含〜

〜終生扶養〜を前提〜養子縁組したうえ〜不動産の大半を〜遺贈〜遺言〜、その後〜不信の念を深くして〜協議離縁〜法律上も事実上も上告人らから扶養を受けないことにしたというのであるから、右協議離縁は〜遺言によりされた遺贈と両立せしめない趣旨のもとにされたものというべき〜
〜抵触〜取り消されたもの〜〜。

登研「遺言・遺産分割等〜諸問題(上)」・遺言の解釈 - g-note(Genmai雑記帳)で引用されていましたので読んでみました。