Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

大阪高裁:包括遺贈と登記

平成18年8月29日 大阪高
平成18年(ネ)第357号 所有権移転登記手続等請求控訴事件

 〜原則として、包括遺贈を受けた者が民法第177条にいう「第三者」に該当〜

〜Aが控訴人に〜贈与した事実は認められるが、控訴人と被控訴人〜はいわゆる対抗問題〜、控訴人の共有持分権に基づく請求を認容できない〜

控訴人〜990条〜包括受遺者が相続人と同一の権利義務を有する〜を根拠に〜被控訴人は〜Aの義務を包括承継〜控訴人との関係では177条にいう第三者ではないと主張〜

被相続人の意思に基づく財産の処分である点で、包括遺贈は、特定遺贈と同じ〜
〜包括遺贈〜財産を個々的に掲記する代わりに〜包括的に表示〜性質を異にするものではない〜
〜包括遺贈が〜意思に基づく財産の処分である以上〜効力が生前贈与などのように生前に発生するか、被相続人の死亡時に発生するかにかかわりなく、それに基づく物権変動の効力は、登記がされるまでは〜未完成〜登記がされれば〜完成〜〜

実質的にみても、相続人の存在〜戸籍により明確に把握できる〜遺贈の有無は、包括〜特定遺贈であれ、外部からは当然には分からない〜、これによる所有権の移転が登記なしに第三者に対抗することができないと解することが、第三者の保護の見地からも妥当
177条との関係では、包括遺贈〜特定遺贈〜区別〜できない〜

〜990条〜にかかわらず、包括遺贈〜所有権の移転は〜177条にいう「不動産に関する物権の得喪及び変更」に該当〜、〜対抗問題〜、〜〜177条にいう「第三者」に該当〜と解すべき〜

本件〜控訴人が〜移転登記を経由していない〜被控訴人に対して贈与〜取得を対抗できない〜被控訴人が遺贈に基づく〜登記を経由しているから、控訴人は、被控訴人に対して〜取得を主張〜できない。

登研「遺言・遺産分割等〜諸問題(中)」・6遺贈と不動産登記2 - g-note(Genmai雑記帳)で引用されていましたので読んでみました。