日弁連、集団的自衛権に関する会長声明

集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明

〜日本が武力攻撃をされていないにもかかわらず、他国のために戦争をすることを意味し、戦争をしない平和国家としての日本の国の在り方を根本から変えるもの〜。

〜憲法第９条の許容するところではなく〜これまでの政府の憲法解釈においても長年にわたって繰り返し確認されてきたこと〜。

このような憲法の基本原理に関わる重大な変更、すなわち憲法第９条の実質的な改変を、国民の中で十分に議論することすらなく、憲法に拘束されるはずの政府が閣議決定で行うということは背理であり、立憲主義に根本から違反している。

本閣議決定〜文言は極めて幅の広い不確定概念〜時の政府の判断によって恣意的な解釈〜危険性が極めて大〜。

〜集団的自衛権の行使容認ばかりでなく、国際協力活動の名の下に自衛隊の武器使用と後方支援の権限を拡大することまで含めようとしている点等も看過できない。

〜過去の侵略戦争への反省の下に徹底した恒久平和主義を堅持することは〜侵略により悲惨な体験を受けたアジア諸国の人々との信頼関係を構築し、武力によらずに紛争を解決し、平和な社会を創り上げる礎になるものである。

〜他国間の戦争において中立国から交戦国になるとともに、〜日本国内全ての自衛隊の基地や施設が軍事目標となり〜。

集団的自衛権の行使等を容認する本閣議決定は、立憲主義と恒久平和主義に反し、違憲である。〜

〜本閣議決定に対し、強く抗議し〜撤回を求めるとともに、今後の関係法律の改正等が許されないことを明らかにし、反対する〜。

２０１４年（平成２６年）７月１日
日本弁護士連合会　会長　村越　　進