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最高裁:DNA鑑定、親子関係不存在の訴え2

平成24(受)1402 親子関係不存在確認請求事件
平成26年07月17日 最一小判(原審 札幌高裁)
裁判要旨抜き書き

 夫と〜772条〜嫡出推定〜子との間に〜父子関係が認められない〜科学的証拠〜明らか〜などの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

(2) 甲〜平成20年頃から乙と交際〜性的関係〜しかし〜同居を続け,夫婦の実態が失われることはなかった。
(3)〜平成21年〜黙って病院に行き〜被上告人を出産〜
(4) 上告人は〜入院中の甲を探し出した。〜尋ねたところ,甲は,「2,3回しか会ったことのない男の人」などと答えた。
〜上告人は〜出生届を提出〜自らの子として監護養育〜
(5)〜平成22年〜親権者を甲と定めて協議離婚〜甲と被上告人は〜乙と共に生活〜
(6)甲は〜被上告人の法定代理人として,本件訴えを提起〜
(7)〜DNA検査〜乙が〜父である確率は99.999998%〜

原審

嫡出推定が排除〜場合を〜懐胎〜可能性がない〜外観上明白な場合に限定〜相当でない。
民法が〜父子関係を争うことを厳格に制限しようとした趣旨は,家庭内の秘密や平穏を保護〜平穏な家庭で養育を受けるべき子の利益が不当に害されることを防止することにある〜
〜このような趣旨が損なわれないような特段の事情〜かつ,生物学上の〜不存在が客観的に明らかな場合〜嫡出推定が排除されるべき〜
〜不存在は科学的証拠により〜証明されており,また,〜既に離婚して別居〜甲の下で監護〜などの事情〜から,本件〜嫡出推定が排除〜訴えは適法〜

最高裁

〜772条〜嫡出推定子〜否認〜夫からの嫡出否認の訴えによるべき〜かつ〜1年の出訴期間を定めたことは,身分関係の法的安定を保持〜合理性を有する〜(〜昭和54年(オ)1331同55年03月27日一小判決平成8年(オ)380同12年03月14日三小判〜)。

夫と子〜に生物学上の父子関係が〜ないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,〜既に離婚して別居〜子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても,子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではない
〜嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえず,親子関係不存在確認の訴えをもって〜争うことはできない〜。

〜法律上の父子関係が生物学上の父子関係と一致しない場合が生ずる〜同条及び774条から778条まで〜このような不一致が生ずることをも容認〜

〜所定の期間内に〜出産した子について〜懐胎すべき時期に〜事実上の離婚〜夫婦の実態が失われ,又は遠隔地に居住〜性的関係を持つ機会がなかったことが明らかで〜などの事情〜実質的には同条の推定を受けない嫡出子〜774条以下の規定にかかわらず,親子関係不存在確認の訴え〜できる〜(昭和43年(オ)1184同44年05月29日一小判〜,〜平成7年(オ)2178号同10年08月31日二小判平成12年03月14日三小判〜)。
〜本件〜上記のような事情〜認められず〜訴えは不適法〜却下〜。

裁判官金築誠志,同白木勇の各反対〜
町村先生の解説
arret:DNA関係に基づく親子関係不存在確認が嫡出推定に勝てない事例: Matimulog
同旨の判決
最高裁:DNA鑑定、親子関係不存在の訴え1 - g-note(Genmai雑記帳)