Genmai雑記帳

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清算結了登記の添付書面

清算結了総会では、会社法施行前のように、清算結了時の貸借対照表(0、0のもの)の承認ではなく、会社法規則150条の記載が求められています。
会社法施行規則(抽出・加工あり。原文参照)

(決算報告)
第150条
〜決算報告は、次に掲げる事項を内容とするもの〜第1号〜2号〜は、適切な項目に細分〜できる。

  • 一 債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額
  • 二 債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額
  • 三 残余財産の額(支払税額がある場合には、その税額及び当該税額を控除した後の財産の額)
  • 四  一株当たりの分配額(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式一株当たりの分配額)

2(前項第四号についての記載事項・省略)

 会社法481条を受けた形ですね。決算報告と言うより、清算人の事務報告の様な内容です。
大抵の場合は、現金預金の増減内容のみを記載することになると思います。

したがって、このとおり記載すると、一から二を引くと、たいていの場合マイナスとなり、三が0になりません。この決算の期首に当たる時期(多くの場合は解散時になると思いますが)の繰越額の記載がないから当然です。また、上記の通り、記載項目は貸借対照表や損益計算書の科目と整合していませんので、その意味でも0にならなくて当然です。

 清算が結了していることがわかれば良いと言う意味では、単に三の金額が0と記載されていれば良いとも思われますが、法務局としては不安なようで、会社法施行当時は、「資産・負債が0となった。」などと言う追記を求められたりしたこともありました。

 税理士さんなどが作成した「決算報告」とか「清算事務報告」を受け取ることもありますが、「表」にしてあるような場合が多く、読み解けば各項目の金額がわかるものの、直接上記一〜四の金額を報告する形をとってないものが多いため、結局、これを「資料部分」として合綴して決算報告書に作成しなおすことも多いです。但し、この場合はきちんと繰越額が記載してあって、計算上残余財産が0円になったことが確認できることがほとんどです。

 税理士さんの作成されたものに、「役員からの借入金は免除され債務はない。」と注記されている場合があります。
「債権放棄を受けた場合、債権放棄証書を添付する。」とされていますので、この場合、放棄証書が必要とする見解があるようですが、これは決算報告書上に負債が残存している場合のことであり、勘違いだと思われます。(言わば、一時的な債務超過状態を、どう解消したかは、記載事項ではないと思われます。)

 と考えて調べていると、内藤先生がいみじくもupしておられました。
清算結了登記の添付書面 - 司法書士内藤卓のLEAGALBLOG