Genmai雑記帳

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登記原因証明情報10・「物件変動原因の公示と〜(下)」の2・登研738

登記原因証明情報9・「物件変動原因の公示と〜(下)」の1・登研738 - g-note(Genmai雑記帳)の続きです。
(抽出・加工あり。原文参照)
8 相続による登記と登記原因証明情報
(1)遺言書と登記原因証明情報

清算型遺言〜甲から相続でABCにいったん相続登記をしなければならない。(genmai注:無関係な相続人であるBCも含めて相続登記しなければなはない)〜それから第三者に移転登記をする。〜
〜絶対にできないと言う場合の中間省略登記とは少し異なるのではないかと考えています。〜
〜遺言執行者の権限において甲から第三者に売買を原因として移転登記をするということができないか。〜認めてもいいのではないか〜

 私も清算型遺贈を1つ保管中ですが、確かにこの問題は複雑です。(遺言執行と不動産登記(月報司法書士 2013.9) - g-note(Genmai雑記帳)で既出)
 しかし、やはり時効起算日前の登記名義人と同様、これを認めると、中間省略登記になると言う意味では、「少し異なる」とは考えにくいように思います。

 むしろ、藤原先生が例として書いているような「B、Cに相続させたくない。」と言うような場合は、「遺言執行者は、Aに相続させた上で、これを換価して代金をAに交付する。」と言うような遺言書の書き方(相続させた後の事務まで遺言執行者の権限を拡張)ではまずいのでしょうか?

 あるいは一般的な書き方による清算型遺言の場合でも、実際に換価代金を受領することになっている相続人名義へ、擬制的に相続登記をした上で売却するところまでを遺言執行者の権限として認めると言うような方法(遺言の拡張的解釈からAの相続を含めてしまう。)はどうでしょうか?

 甲は〜丙に〜売買した不動産につき〜登記しないうちに死亡して〜乙への相続登記がなされてしまったと言う場合〜本来〜甲に戻してから丙に移転登記すべき〜中間省略登記〜乙からいきなり丙に移転登記をする、これは先例で認めてます。〜しかし〜〜

(昭和37年3月8日付民甲第638号回答)ですね。(e-professionいつも感謝)

(2)身分変動と登記原因証明情報
 遺言後の離婚 - g-note(Genmai雑記帳)でも取り上げましたが、個々の内容について藤原先生の登記を受理すべきかどうかと言うご意見については、賛成できる部分もありますが、疑問に思う所もあります。
 引用記事にもありますように、「当時の状況等〜など、なかなか分かりにくい「事情」によること」になる部分について、形式審査で決めてしまうと、個々の登記官の「社会的感覚」と言うか、「感じ方」で決まってしまい、「どうかな??」などと思うことが多くなります。

(以下省略)

なお、前回記事の中の中間省略登記について、
藤原先生は、一旦、甲乙、乙丙間の債権契約をしておいて、これを解約せずに、甲丙間の物権変動を構成するようなやり方は好ましくない(私もそう思いますが)と書いておられますが、注記を見ると、香川先生はこれを肯定されているとの記載がありました。