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最高裁(新)表題部所有者「大字西」とある土地の納税義務者

平成26(行ヒ)190 固定資産税等賦課徴収懈怠違法確認等請求事件
平成27年7月17日 最二小判
裁判要旨抜き書き

登記簿の表題部の所有者欄に「大字西」〜と記載されている土地につき〜自治会〜町会が〜納税義務者に当たるとした〜判断〜違法〜事例

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

ア〜賦課期日(1月1日)において〜権利部の登記はなく〜表題部の所有者欄には〜「大字西」,〜,と〜記載〜。〜土地31〜は〜堺市が所有者として登記〜が〜所有権は同市には帰属していなかった。

イ 〜旧来はため池〜その堤とう〜土地〜,〜現況は宅地〜雑種地等〜,〜地区の住民の総有〜財産〜,〜異動状況の把握のために堺市が作成する財産台帳に登録〜。〜「台帳登録財産」〜の管理及び処分〜は〜堺市の定める要綱等において〜決定につき〜地区の〜自治会〜町会の総会の決議によることが基本とされている。

(3)〜納税義務者を特定〜できないとして〜賦課徴収は行われていない。〜平成18年〜20年度〜時効〜消滅〜(同法18条1項)。

原審

(1)〜自治会等は〜賦課期日における〜登記簿上の所有名義人〜とはいえない〜343条2項前段〜納税義務者〜とはできない。
(2) 〜留保し続けることは課税上の衡平を著しく害する〜〜自治会等は〜堺市により〜要綱等に従って〜管理処分権限を有する団体として取り扱われる〜,〜実質的な所有者と評価〜できる。
 〜土地31以外のもの〜表題部の所有者欄〜「大字西」等の名義によって表章される旧来の地縁団体は消滅しているものと同視し〜343条2項後段を類推適用〜自治会等が〜「現に所有している者」として〜納税義務者に当たるとみるべき〜。
 〜土地31〜は,同項後段にいう「所有者として登記されている〜348条〜1項の者が同日前に所有者でなくなっているとき」に該当〜,〜自治会等が〜343条2項後段にいう「現に所有している者」として〜納税義務者に当たる〜。

最高裁

(1) 憲法は〜納税の義務を〜定め(30条),〜租税を課し〜変更するには,法律〜法律の定める条件によることを必要としており(84条),それゆえ,課税要件〜賦課徴収の手続は,法律で明確に定めることが必要〜。
 〜このような租税法律主義の原則に照らすと,租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべき〜ではない〜〜

(2) 〜343条2項後段により〜納税義務者〜というためには,少なくとも〜賦課期日に〜後段にいう「〜現に所有している者」であること,すなわち〜土地の所有権が当該者に現に帰属していたことが必要〜。〜所有権〜帰属〜を確定することなく,同項後段に基づいて〜納税義務者と〜できない〜。

原審〜,〜所有権の帰属を確定〜なく〜要綱等における取扱い等に照らして〜実質的な所有者と評価〜できる〜として〜自治会等が〜納税義務者に該当〜の判断〜,〜同項後段の解釈適用を誤った違法〜

 〜市の定める要綱等において〜管理〜処分の決定につき〜地区の自治会等の総会の決議に基づくことが基本とされていること等をもって,〜自治会等が〜市により〜要綱等に従って〜管理処分権限を有する団体として取り扱われているなどとして〜実質的な所有者と評価〜をいうが〜摘示〜事情によっても〜所有権が〜自治会等に現に帰属していたことを基礎付けることはできない。

〜343条4項〜について更に審理〜原審に差し戻す〜

地方税法(抽出・加工あり。原文参照)
(固定資産税の納税義務者等)

343条 固定資産税は、固定資産の所有者(〜)に課する。
2 〜所有者とは〜登記簿〜土地補充課税台帳〜家屋補充課税台帳に所有者(〜)として登記〜登録されている者をいう。
 〜個人が賦課期日前に死亡〜、〜法人が〜消滅しているとき、〜348条1項の者が〜所有者でなくなつているときは、〜現に所有している者をいう〜
4 〜所有者の所在が震災、風水害、火災その他の事由によつて不明である場合〜、〜使用者を所有者とみなして〜課することができる。

(固定資産税の非課税の範囲)

348条1項 市町村は、国〜都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区合併特例区に対しては、固定資産税を課することができない。