Genmai雑記帳

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最高裁:農地法許可の申請協力請求権の消滅時効2

昭和54(オ)528 所有権確認等
昭和55年2月29日 最二小判
裁判要旨抜き書き

 他人農地の〜買主が売主に対して有する農地法三条〜許可の申請協力請求権の消滅時効は、売主が〜農地の所有権を取得した時から進行〜

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(抽出・加工あり。原文参照)

 農地の買主が売主に対して有する知事に対する〜所有権移転許可申請協力請求権〜は、民法167条1項〜の債権にあたり〜10年の経過により〜消滅〜(〜昭和49年(オ)1164号同50年4月11日二小判〜)

他人の農地の売買の場合〜買主の売主に対する〜許可申請協力請求権の消滅時効は、売主が他人から〜農地の所有権を取得した時から進行する〜。

 〜農地法3条〜許可申請は、売主が〜所有者であることを前提として〜買主の連名ですべきものとされている〜、売主が他人から〜所有権を取得しないかぎり、売主は〜申請〜できず、買主の〜協力請求権は、売主が〜許可を得て他人から〜所有権を取得した時に始めてこれを行使〜できるものとなるから〜。

〜上告人が昭和35年3月〜被上告人から、訴外D〜所有〜本件農地を買い受けたとして、被上告人に対し〜三条〜許可申請手続を〜求めるもの〜、
〜被上告人は、昭和36年〜Dから〜買い受け〜同年7月〜知事から〜許可を受けて〜所有権を取得した〜、上告人の被上告人に対する〜申請協力請求権は、被上告人〜所有権を取得した昭和36年7月〜より10年〜時効により消滅〜。

 この判決は、「農地法許可申請協力請求権は債権として10年の時効」と言う場合の根拠として上げられていたのですが、

他人物の売主と言う意味では、
 売主は他人物を「取得して移転する義務」を負っているわけですが、それは、(所有権を取得したことによる物権的請求権ではないので)、一般の債権の消滅時効である「契約時から10年」で完成するのではないかと考えるのですが、そうすると昭和35年3月から10年で時効が完成しており、

 他人物売買の場合に限って、「手続請求権」と言う形で、「昭和36年7月より10年」で完成と言うことになるのに違和感を覚えます。

 援用の問題なのかもしれませんが、「移転すべき義務」としての債権が消滅したら、手続請求権も一緒に消滅することになると思うのですが・・・・(例によって浅学非才の私の世迷い言なのでしょうが・・・・)

(他人の権利の売買における売主の義務)
第560条 他人の権利を売買の目的としたときは、売主は〜権利を取得して買主に移転する義務を負う。

もう1つ、全く別の問題ですが、
転売目的の3条許可申請が違法とならない場合と言うのは、非常に限られてくるのではないかと思うのですが・・・・

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