Genmai雑記帳

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京都会・安保法案反対、会長声明

安全保障関連法案に反対し、その廃案を求める会長声明
京都司法書士会 会長 森中 勇雄
1 法案の違憲
(1)集団的自衛権の行使

 〜国際法上、集団的自衛権とは〜攻撃を受けていない第三国が〜共同で防衛を行う権利〜憲法第9条第1項は、戦争・武力行使を禁じ、同条第2項が軍その他の戦力の不保持を定めている。
〜原則として違憲〜例外的に〜認められるとすれば、憲法上、その根拠規定を要する〜第13条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利は国政の最大の尊重を必要とする、と定めて国内の安全を確保する義務を政府に課していることから、これを果たすための必要最小限度の実力行使が、第9条の例外として許容されるのである。
そもそも〜内閣の持つ行政権の範囲〜憲法は、政府に軍事権を付託していない〜

(2)「存立危機事態」の不明確性

 本法案は〜「存立危機事態」〜極めて曖昧〜、政府は、容易に〜認定することができる〜武力行使に歯止めがない〜

(3)支援活動等の拡大に伴う他国の武力行使との一体化

〜重要影響事態法案〜「重要影響事態」の曖昧さもさることながら、地理的制約を撤廃し、現に戦闘行為が行われている現場以外の場所での活動を認め、発進準備中の戦闘機に対する給油や弾薬の提供や輸送を許すなど、支援活動の範囲、内容を拡大〜
〜「弾薬」に核兵器までもが含まれるとの政府答弁〜後方支援とは名ばかり〜他国軍隊の武力行使との一体化は避けられない。〜
〜国際平和支援法案は、これまでの〜国連平和維持活動(PKO)のみならず有志連合等の〜活動」にまで自衛隊の活動範囲を拡大〜「安全確保業務」や「駆け付け警護」を行うこと〜その任務遂行のための武器使用を認めている。〜この武器使用は〜「自己保存のため」という限度を超えるもの〜他国の武力行使と一体化〜海外での武力行使に発展する事態を招きかねない〜

立憲主義の破壊

〜安保政策〜の法整備が必要であるか〜は別問題〜〜必要であるのなら、正々堂々と憲法を改正すべき〜

〜歴代内閣が憲法上許されないと解釈し、多くの憲法学者や元内閣法制局長官らも違憲と指摘〜について、時代の要請や情勢の変化が生じているからという理由で、政府自ら「解釈改憲」と称した閣議決定を行い、これまでの政府見解を180度覆した。〜

権力者である政府が憲法の縛りを自分で勝手にゆるめることなど言語道断〜
憲法最高法規と定め〜違反する法律や政府の行為を無効とし〜、国務大臣や国会議員に憲法尊重擁護義務を課すことにより〜、国家権力を憲法による制約の下に置くこととした立憲主義に反する。

〜「存立危機事態」の具体的場面の明言を避けたうえで「総合的に判断する」などという〜答弁は、白紙委任を求めているも同然〜
〜政府が思い通りに憲法解釈を変更することや、「存立危機事態」を恣意的に認定することによって武力を行使することを認めてしまえば、我が国が「人の支配」に成り下がる〜
〜「法の支配」の危機であって、断じて許されない。

3 結語

〜法案の政策的な必要性の有無とは別に、立憲主義の破壊という憲法問題及び法秩序についての法的な問題〜
〜一内閣の裁量で憲法の解釈を変更して政府の恣意的な運用を拡大するような手法に、国民の多くが不安を感じている〜
〜国民の権利の擁護と公正な社会を実現するという司法書士の使命にかんがみ、これらを容認〜できない。
よって〜強く反対し〜廃案を求める。

 多くの反対論者がとっている立場を集約しており、なかなか良いものだと思いました。