Genmai雑記帳

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★非農地化と許可(柳教授)

農地法の許可について(名城大学・柳勝司教授) - g-note(Genmai雑記帳)の下記部分を流し読みしてみました。【名城大学・柳勝司教授の論説】61-4-p60以下
第3節「農地の非農地化と許可」
(1)最高裁昭和42年10月27日判決(売主が非農地化)
以降の下級審等

横浜地裁平成21年4月17日判決(積極・買主の知らないうちに非農地化)
・大阪地裁昭和61年5月26日判決(消極・非農地化を相当とする状況)
京都地裁昭和46年10月29日判決(消極・買主が非農地)
水戸地裁昭和49年11月26日判決(消極・賃借人が非農地化)
・大阪高昭和35年8月1日判決(積極・買主の非農地化)

以降の最高裁判決。(いずれも積極)

(2)最高裁昭和44年10月31日判決
・周辺一帯が都市計画区域に指定〜、順次宅地分譲〜買主が非農地化
・買主だけに責めに帰すべき事由があったとはいえない〜

(3)最高裁昭和45年11月26日判決
・甲→乙→丙へ売却。宅地化目的。甲が離作し宅地化する意思。
・離作させるために順次売買、次第に非農地化。非農地化をした者を特定できない、特定の買主に帰責事由があるとできない。

(4)最高裁昭和48年12月11日判決
・売買後に現況が宅地となった場合には、特段の事情のないかぎり売買は、知事の許可なしに効力を生ずる。
・買主の帰責事由の有無については触れられていない。

(5)最高裁昭和52年2月17日判決
・買主が会社の名義で買い受け、許可を受け宅地化。知事の許可を経ることなしに、完全に効力を生ずる。
・会社名義で宅地にして、その上で、会社から買い所有名義を取得しようと考え認められた。
・中間者を介在させることによって宅地化した上で取得できることを示している。

(6)最高裁平成12年12月19日判決
・売買後に周辺土地とともに放置され、かつ、買主が盛土をして資材置場等として使用したため、右農地が非農地化
・非農地化した経緯は判然としない。仮に買主の先代によって非農地化したとしても移転の効果を妨げる理由と認められない。
・経緯が判然としなくなれば、買主の帰責事由の有無も判然としなくなり許可も必要でなくなる。

(7)判例の検討
・非農地した場合〜買主に帰責事由がないとされると許可なしに効力を有する〜
(買主に帰責事由ある場合は効力を生じないとする説)
・非農地化に関して買主の帰責事由について厳しい判断をしていない
・多くの学説は、農地でなくなった時に効力を生ずるという説