Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:順次売買と宅地化における許可要否

昭和45(オ)735 所有権移転登記請求
昭和45年11月26日 最一小判
裁判要旨抜き書き

 〜甲から乙へ、乙から丙へ順次売却〜、各〜契約が、いずれも〜宅地とする目的のもと〜甲に〜離作させることを定めてなされたものであり、
〜甲の意思に起因して、次第に農地〜利用〜に適しない状態〜後に恒久的に宅地化〜
〜売買契約は〜宅地化により〜許可〜なく効力を生ずる〜

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

〜かねて孟宗藪であつたところ〜各売買は、いずれも〜宅地とする目的のもとに〜第一次売買の売主たる〜Dにおいて、訴外E外3名の〜離作〜を定めてなされたもの〜
〜宅地化は、上告人らの先代〜Dの意思に起因するもの〜
〜耕作者4名が〜筍の栽培をやめて以来〜次第に農地〜利用〜に適しない状態になり〜後において〜恒久的に宅地化〜に至つた〜

このような〜宅地化されるに至つた原因〜経緯にかんがみれば、右宅地化により〜各売買は〜許可を経ることなく〜完全に〜効力を生ずるに至つた〜

★非農地化と許可(柳教授) - g-note(Genmai雑記帳)で引用されていましたので読んでみました。

柳先生の解説には、
「非農地化をした者を特定できない状況であるとして、 特定の買主に帰責事由があるということはできないとされた。」とありますが、
むしろ、非農地化は、売主(D)の意思に起因し、おそらくは、無効を主張している上告人はDの相続人であったのではないかと思われ、
どちらかと言えば、売主側に帰責事由あると言えなくもない、と言うような判断の気がします。(判決文が簡単すぎて不明ですが)

実際には、多くの場合、いわゆる「違法転用売買」は、売主側の離作を前提としているものと思えますので、
こうした考え方によれば「買主(のみ)に帰責事由がある」と言う場合は、かなり限定されてくるように思えます。

【名城大学・柳勝司教授の論説】61-4-63