Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:農地法の合憲性・「非農地化の完成」

平成12(あ)585 農地法違反被告事件
平成14年04月05日 最二小判
裁判要旨抜き書き

1 農地法〜4条1項,5条1項,92条は,憲法29条に違反しない。
2 土石の捨場として使用されていた農地を売却した者が,その後買受人によって行われた〜造成,転用〜行為に共同正犯として関与したとき〜,農地法〜4条1項違反の罪と同法5条1項違反の罪の双方が成立〜

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

 〜規制の目的は〜農業上の効率的な利用を図り,営農条件が良好な農地を確保することによって,農業経営の安定を図るとともに,国土の合理的かつ計画的な利用を図るための他の制度と相まって〜農業上の利用と他の利用との利用関係を調整し,農地の環境を保全すること〜〜
 〜この〜目的は〜立法当初と比較して農地をめぐる社会情勢が変化してきたことを考慮しても,なお正当性を肯認することができる。〜

 〜4条1項,5条1項〜これら〜に違反した者に対する罰則〜92条は,憲法29条に違反〜ではない。

 〜「本件土地」〜は,大館市が被告人から土石の捨場として借り受け,土木建設工事の土砂が投棄されていたが,上記売買契約の時点では,依然として農地であり,被告人は,共同正犯として,その後Aが行った〜非農地への造成,転用〜完成〜行為に関与〜という〜。
〜4条1項違反の罪と〜5条1項違反の罪の双方が成立する〜

 月報司法書士H27.10(524)「農地の権利移動等の許可制度について」(末光裕一司法書士)を拾い読みしていたらありましたので、読んでみました。

 農地法憲法違反ではないと言う判例は古くからありましたが、時代の変化によっても、これに変わりがないことを確認したような判決ですね。(なんとも言えませんね。)

 県や市が、災害工事などの土石捨場として農地を埋めてしまった事例は多く見受けますが、これを最高裁が「依然として農地であり」と認定していることについての根拠は書かれておりません。
 
 原審等において、当然、そうした「農地認定」があったのではないかと思われますが、そちらの方がずっと重要な意味があるように思え、その「認定」に興味があります。