最高裁:更新料不払いによる解除

昭和58(オ)1289 建物収去土地明渡
昭和59年04月20日 最二小判
裁判要旨抜き書き

 〜更新料の支払を約しながら〜履行しなかつた場合〜更新料が、将来の賃料の一部、借地法4条1項〜6条〜の更新についての異議権放棄の対価並びに〜従前の債務不履行〜の紛争の解決金としての性質を有する等〜事実関係があるときは〜不履行を理由として〜賃貸借契約を解除〜できる。

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(抽出・加工あり。原文参照)

1〜普通建物所有の目的、権利金・敷金なく、無断譲渡・転貸禁止の特約付きで賃貸〜
(二)更新〜、〜無断増改築禁止の特約がされ〜、更に〜更新〜
(三)〜昭和38年ころ〜増改築に着手〜土台石を敷いた段階で〜承諾を求めた〜、被上告人がこれを承諾せず〜中止を申入れたが〜完成〜。
〜増改築により〜便所が〜接近〜不快感〜、また、〜間借人をおいた〜。
(四)〜妻である上告人A2に〜建物〜の所有権を移転して〜土地を使用させ、かつ、昭和38年〜A2に〜建物〜所有権保存登記をして〜土地を転貸〜。(五)〜昭和50年〜建物〜を隣地に接近して建築〜。〜被上告人は〜書面で〜何時、誰が建てたのか明らかにするよう求めた〜応じなかつた〜重ねて書面で〜回答を求め〜応じなかつた。
(六)〜昭和38年ころから〜賃料の支払が遅れ〜昭和49年12月〜の〜更新に先立ち〜更新料〜を請求〜。
(七)〜応じなかつたので、被上告人は〜宅地調停〜申立〜。更新料の額と支払方法〜無断増改築〜無断転貸、賃料〜遅滞等の問題等についても話合がなされた。〜結果、賃料〜言分の隔たりが大きく〜調停成立後〜更に話合いを続けることとした。
〜被上告人は〜前記の不信行為を不問に付することとし〜解決料と本来の意味での更新料〜合計額を100万円に減額する旨申入れ〜了承〜分割〜支払〜を約し〜調停が成立〜
(八)〜第2回の分割金50万円は期限までに支払をしなかつた。〜書面〜催告〜支払〜なかつたので〜書面をもつて〜契約〜解除〜。
(九)〜A1が〜支払わ〜なかつたのは、調停の際被上告人側が借地の範囲を明確にすることなどを先ず履行することを約束していたものと考えていたこと、〜従来〜不信行為に〜強く抗議をせず〜義務の履行を迫つたことがなかつたので〜期限までに支払わなくても〜解除〜はあるまいと思つていたから〜しかし、調停〜の際〜借地の範囲を明確〜などの合意は〜なかつた。〜A1は〜第2回の分割金〜弁済のため提供〜受領を拒絶〜供託〜

(一)〜昭和9年〜以降2回の更新〜、〜権利金・敷金等〜なく〜地価〜著しく値上りしているため〜更新の際に借地権価格の1割〜相当〜更新料の支払を請求〜協議したうえ〜合意〜の経緯〜、本件更新料は〜土地利用の対価として支払うこととされたもの〜将来の賃料たる性質を有する〜
(二) 被上告人は〜土地の有効利用を考え、また、上告人らの不信行為もあつたが〜継続を前提として更新料を請求したもの〜、更新に関する異議権を放棄し、その対価としての更新料を請求〜、〜更新料の〜合意されたものと認めるべき〜
(三) 〜無断増改築〜無断転貸、賃料支払の遅滞等の〜違反〜があつたが〜調停は、これら〜を不問とし、紛争予防目的での解決金をも含めた趣旨で更新料の支払を合意したもの〜

〜更新料がいかなる性格のものであるか〜その不払が〜解除原因となりうるかどうかは、単にその更新料の支払がなくても法定更新がされたかどうかという事情のみならず〜賃貸借成立後の〜事情〜更新料の〜合意が成立するに至つた経緯その他諸般の事情を総合考量し〜具体的事実関係に即して判断されるべきもの〜

〜本件更新料〜は、賃料の支払と同様、更新後の〜契約の重要な要素として組み込まれ、その賃貸借契約の当事者の信頼関係を維持する基盤をなしている〜その不払は〜基盤を失わせる著しい背信行為〜契約それ自体の解除原因となりうる〜。

研修:「借地借家法」(山内鉄夫先生)で引用されていましたので読んでみました。
研修:「借地借家法」・引用判例等